ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ブレッソン 白夜

2012年11月12日 | 映画

 

そして遂にユーロスペースでの白夜。ざっと見て三分の一くらいの入りである。平日昼過ぎでこの映画だ、まずまずの入りではないだろうか。それより客層でちょっとびっくりしたのは、60歳以上(多分)の女性客がいやに多いと言う事実だ。これは個人的にブレッソンでイメージする客層とは違った。イメージする客層と言うのは、同じ映画好きでもかなりうるさ型で、フランス映画と一纏めにしてほしくない、同じフランス映画でもピンからキリなんだから、と思っているような主に男で、女性だったら30代40代の人たちなのである。想像するに、今回の映画、原作がドストエフスキーということで、ブレッソンをあまり知らない、元正統派文学少女が見に来たのではないだろうか。そんなことを考えているうちに本編が開始した。

主人公(画家)が、何故か郊外にヒッチハイクに行き戻ってくるという場面から始まる。相変わらずの、唐突な展開である。何しに行ったかと言うと、草原ででんぐり返しをするためだ(実際にそうなのかは分からない)。そしてある夜、ポンヌフ(パリにある有名な橋)で、自殺しそうな女性を救う(多分)。そこから画家と女性の4夜が始まる。その最後の夜までの出来事を、劇的にではなく描く。全体の雰囲気はその後の作品たぶん悪魔がやラルジャンに似ていうるのだが、唐突さと言う点ではこれが一番かもしれない。何故そう感じたかと言うと、この百夜では、ブレッソンとしては珍しく、音楽歌が頻繁に挿入され、しかも女性の裸体をなめるように撮っている場面まであるからだ。歌が入ったブレッソン映画は他にあっただろうか。それと女性の裸体だが、過去裸体は、確かバルタザール何処へ行く湖のランスロで一瞬出たくらいではなかったか。今回は、明らかに嘗め回すような撮り方だった。それらの場面が、所謂普通の映画のショットのようで、ブレッソン映画と言うことを一瞬忘れさせるのだが、直ぐにいつものブレッソンにもどり、その落差が唐突さをより感じさせるのかと思った。

女性は徐々に画家に対して愛を感じ始めるのだが、結局は、自殺しようと思った原因となった、女性の家の下宿人である学生に再会しそちらに行く。この辺りは君の名はと同じようなお話でもあるのだが、画家にとってはたった4日の出来事に過ぎない。しかし、画家の妄想は着々と積みあがっていく。自分の声をテープに録音しいきなりバス内でかけたり、それをバックに絵画制作に励んだりと何故?というショットが続く。つものブレッソンである。世界は、意味だけで出来ているわけではない。意味を見つけたいだけである。と、言いたいのかどうかは分からないが、これがブレッソンの世界なのである。

 

帰りに、近くにあるヴィロンでレトロドールのバゲットとニソワーズのカスクルートを買う。レトロドールはヴィロン専用の小麦らしいが、確かに味に深みがあり美味しかった。

 

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原宿改め渋谷探訪

2012年11月11日 | Weblog

 

渋谷は流石に人が多い。ここにいるだけで疲れるというのは多くの人(若者ではない)が感じることではないだろうか。まずは昨日に引き続きコラージュから。

宮下公園。

宮下公園と言えば、ホームレス。

こんな昭和の匂いのするビルもまだありました。

一際大きな音で宣伝活動。

駅近く。

ロフトまで来ました。こんなカミソリビルがあったんだ。

更に裏の方に進むと、旧宇田川。昔川のあったところは何となく形状で分かるものだ。

 

さて、そろそろ映画の時間(1時50分)か、と確認するとまだ30分ほどある。ということで東急本店辺りから未知の領域、松涛周辺を散策することにした。考えてみれば、東急本店辺りに来ること自体二三十年ぶりのような気がする。そして、松涛地区に侵入。それにしても、人の気配がほとんどしない。これでも同じ渋谷か。

高級住宅街をのんびり散歩、ではなく巡回するおまわりさん。

こんなのもありました。

唯、歩いても、新しい高そうな住宅ばかりで面白みは全く無い。間違いなく松涛である証拠の観世能楽堂。

薄い自販機。

 

というわけで、一応初の松涛体験は終了し、遂に目的地であるユーロスペースに到着。

長うございました。最後の映画に続く。

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原宿探訪 渋谷まで

2012年11月10日 | Weblog

 

映画の上映時間にはまだまだたっぷりあるので、渋谷まで歩くことにした。まずはコラージュから。

そして道を行く。

しかし、原宿も一歩脇に入ると表参道が嘘のような普通の生活空間がひろがっている。しかも路地が多い。ここら辺りはまだ所謂原宿の磁場内。

そろそろ磁場を抜けるとこんな坂などが。これをみると渋谷というのが谷であったことがよく分かる。

こんな風景、とても原宿とは思えない。

路地①

路地②

神社

自転車、そろそろ渋谷の気配が。

そして、渋谷。

 

まだ続く。

 

 

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原宿探訪 ジャイル編

2012年11月09日 | 食べ物

 

開店時間になったので店(ル プレヴェール)に行く。一番乗りだった。パリに本店があるそうで、確かに雰囲気は向こうのカフェ、ビストロそのままで気軽に利用できそう。テーブルの間隔が狭いところなんかも如何にもという感じだ。給仕長らしき、むしろ居酒屋のほうが似合いそうなちょっと年のおじさんがいやに元気である。ランチは1350円とリーズナブル(但しメニューによっては差額が)。オードブルにスルメイカのサラダ(ゴマ風味)、メインに鴨(スターアニスのソース赤米のリゾット付き)を頼む。サラダを食べたとき給仕長(風)のおじさんがどうですか?と聞いてきたのだが、はっきり言って特別美味くもなかったので言葉を濁せざるを得なかった。黒ゴマは別に悪くは無いのだが、イカ(特別鮮度が良いとは感じなかった)はゆでてあるのだがソテーしたほうが美味いと思ったし、オイルにヘーゼルナッツオイルをちょっと効かすとかもう一工夫ほしいとは思った。メインの鴨はかなり小さい。値段からすればこれはやむ無し。全体では、ビストロ料理にしては豪快さ(量を含め)が足らない印象だった。

グラスのビオのミュスカデを飲んで会計を済ます前にトイレに。ここのトイレが面白かった。ビルのトイレと言うことになるが、まず入り口が分かりにくい。店に人に聞いたから良かったが、聞かなければまず分からなかっただろう。これは多分、トイレだけを利用しようと言う人の防止を考えてのことだと思う。分かりづらいドアを普通に開けると完全個室のトイレ(一人用が一つ)が更にあり、手をかざしてセンサー感知でトイレのドアがオープン。中がこれまた広くて、三畳くらいあるのではないだろうか。明るく広く、赤ちゃん用のおしめスペースも完備。流石にこういうビルはトイレも違うと思った。出るときには再び手をかざし、店に戻り会計を済まし、給仕長のまた来てくださいの声を聞きつつ店を後にした。

4階(レストランのある)から三階に降りると、目の前にMoMAのショップが。早速店を覗く。さっと目に付いたボールペンと鉛筆を購入。レジで会員カードは如何ですかと言われるが、次に来るのはいつか分からないというより、全く来ない可能性もあるのでそれは断った。

更に続く。

 

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原宿探訪

2012年11月08日 | Weblog

 

という訳で新宿駅。

実は、ゲロメッティYのお薦め映画、ブレッソン白夜を観るためにとうとう重い腰を上げたのであった。時間に余裕があるので原宿に向かう。まずは歩道橋からの原宿駅。

そしてその歩道橋。

降りれば当然表参道。

原宿などに来る用はまず無いはずなのだが、考えてみると、このところの数少ない上京(前回は三年前か)の中でここに来る割合は多くなっているかもしれない。何故かというと...一本裏通りに入って...

ここに来るからだ。

瑞穂の豆大福が好きなのである。場所も行き易いしで、東京で豆大福と言えばここなのである。箱入りを買ってバッグの底に入れほぼ固定する。これで歩き回っても大丈夫だろう。そして次は昼飯だ。予定してたのは表参道沿いにあるル プレヴェールというビストロ。初めて行く所だが気軽に入り易そうだったので決めたわけだが、実際今は、そういう店にしか行く気にならない。所謂高級フレンチと呼ばれるよう店には、もう殆んど縁がなくなった。ただその店の入ってるジャイルというビルは、こんな店や

こんな店が入ってる所で

ビル自体はお気軽ではない。

ビストロの開店時間にはまだ余裕があり、周辺をちょっと散策することにした。ビルの向かいには表参道ヒルズ(入ったことは無い)がある。

その裏。

一部に同潤会アパートが残されているのね。

表参道①

表参道②

表参道③(これだけ見るとヨーロッパのそういう所みたいである)

 

長くなったので続く。

 

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野球シーズンが終ってほっとしたのも束の間

2012年11月06日 | Weblog

 

それにしても吉田のサウサンプトンは勝てん。吉田自身はそこそこのパフォーマンスのようだが、この調子では一期で降格しそう(大方の予想通りか)。シャルケのウッチーはドイツでの初得点ということでスポーツニュースでは嬉しそうに報じていたが、肝心のチームは負けている。ウッチーを評価するなら、むしろ貴重なアシスト(勿論守備あっての)でもあった時だろう。どうも得点(決勝点なら別だが)さえすれば日本人が活躍したということでニュース価値があるものだと思い込んでいるようだが、いい加減にしてくれと思って見ている人間もいることにそろそろ気付けよ、とマスコミ(特にテレビ)には言いたい。この辺りは、イチローが何打数何安打であったかということしか報じない姿勢と全く同じ。野球に関しては、取り敢えず終ったことでほっとしているが、既にWBCがどうのと煽り態勢に入っているので、騒がしくなるのは避けられそうにない。勿論、興味がないから見ないのだが、ニュースの多くの時間をそれに当てるので、見たくもないのに見せられるという状況に置かれることが多くなる。これが嫌なのだ。

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頭脳流出

2012年11月05日 | Weblog

 

日本の家電メーカーの苦戦は続いてるが、シャープはいよいよ駄目なのか?一時は液晶はシャープなどとえらい勢いだったが、今や昔日の面影は何処に行ったの?の世界である。その分余計にサムスンの勢いが羨ましく見えるのではないだろうか(この調子でずっと行くとも思えないが)。唯、今の韓国の技術革新は日本のおかげなのに、と忸怩たる思いをしている人も多い筈。韓国や中国に日本人の技術者が引き抜かれているというのは、結構前から言われていたことである(最近はもうほしい技術もなくなりつつあるらしい)。しかも韓国の場合、国の方針もあり、積極的に技術革新を手助けしてきた歴史もあったと思う。

そんな中、家電メーカーをリストラされた人が向こうの企業に高給で雇われたとしても誰も批判は出来ない。感情的には国を裏切ったなどと思う人が多いかもしれないが(在職中に企業の技術込みで高給で行けば裏切り行為と言われても仕方が無いが)、元々国に雇われているわけでもなく、一企業の話で、雇ってくれる会社が韓国企業だっただけという話である。それが客観的には頭脳流出という現象であるわけだ(新日鉄の場合は、ちょっと悪質のようだが)。

いずれにしろこういうことがあると、直ぐナショナリズムが渦巻き国賊だとか罵倒したがるが(特にネットでは)、そういうlことを言いたがる人間は、例え彼らが日本から流出してももったいないと言われることがない人間であるということは、残念ながら経験上知っている。山中教授が言ったのなら説得力はあるが。

ただ、研究者が、日本のためと思っても国による支援が無く、アメリカ辺りの研究所にスカウトされたなどという話を聞くと、国の無策を感じる。有象無象の議員を税金で養うより、研究開発にそれらを使えと思うのは自然なことだ。科学技術立国を標榜するなら、お金の使い方は自ずと決まってくる。

 

 

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恋の罪

2012年11月04日 | 映画

 

何処がいいのかさっぱり分からないと言いながらも園子温恋の罪という映画を観た。実際に起こった事件をヒントに作るというのが彼のスタイルのなのだが、今回は円山町で起こった東電の女子社員のあの事件。あの事件は、エリート女子社員の夜の顔があまりに衝撃的だったということで世間の好奇心を刺激した。この映画は、その辺りをより猟奇的な殺人事件として膨らまし、それを解明する刑事と事件の中心となる女達(こちらが映画の中心)の両方から描く。マーラーの交響曲(ベニスに死すのあれ)を使ったり、カフカの城を引用したり、色んな仕掛けを用意していて、映画から色んな意味を探ろうとする一部の映画ファンには嬉しいのだろうとは想像した。

が、やはりどうもそれらの演出がむしろあざとい或いは陳腐(しかも長い)と感じてしまう。結局はブニュエル昼顔の世界なだけだろうにと思ってしまう。心の闇というのはどの映画でも共通のテーマになっているようだが、どの映画を観ても(彼の)同じような印象しか持てない。やはり何処がいいのかさっぱりだった。

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波板の建物

2012年11月03日 | Weblog

 

街シリーズ(ということで)第三弾。波板の建物。この建物、古くなると独特な色合いを帯びるのでついつい目が行ってしまう。良い味のものが多いのだ。木造の場合、少なくとも二三十年は経たないとそれなりの味は出ないのだが、この手のものは四五年で熟成するように思う。しかも倉庫などが多いので、古い街でなくてもあるのが嬉しい。それではざざっと紹介。

 

 

そして今回の最高傑作。ここまで完成度の高いものは、なかなか無い。

 

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街の看板

2012年11月02日 | Weblog

 

今日は、街で見つけたちょっと引っかかった看板をご紹介。まずは組み合わせの妙ではなく、組み合わせが妙な看板。

手作り感満載。

大分掠れてきた。

注意が細か過ぎる。

これも看板っちゃあ看板。珍しくも無いが、夕暮れ時に浮かび上がっていたので。

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たまには植物ブログ 街で見つけた秋

2012年11月01日 | Weblog

 

この時期、街中にも思わず「秋やなあ」と呟くような風景がころがっている。そんな秋を、花と実を中心にざざっと一気に放出。

 

 

おまけに、クチーナにし村のバジルとジャガイモのザッケローニではなくマッケローニ。

 

 

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