「頭がいい人」は脳をどう鍛えたか, (編著)保坂隆, 中公新書ラクレ 167, 2005年
・「だまされた」 読み始めて数ページで気がついた。『編著』となっているが、共著者の名前はどこ? 探すも見つからず、替わりに巻末にはぎっしりと参考文献が[写真]。ま、まさかこれらの本の著者を共著者と見なしているということ!? そんなのアリなのー!?? 単に『著』としてしまうと、パクリがばれたときにやばいので、『編著』としたと、そういうことなのでしょうか。しかも論文や専門書の類は一冊もなく、全て一般向けの書籍。これが『サイエンスライター』の仕事ならまだわからなくもないのですが、『大学教授』の肩書きを持つお方の仕事とは思えません。ところどころ、ヘェーと思う記述にも出会うのですが、そもそも書名と内容がさっぱり噛み合っていないし、オリジナルの主張も無いぶんいわゆる『トンデモ本』よりも性質が悪いと思います。こんな本を出版していては著者も出版社も信用を落とすだけでなんのメリットも無いのではないでしょうか。理解に苦しむ。
・なんじゃかんじゃ言っても、古本屋で手にとってしまった私の負け。
・「脳はからだの筋肉と同じように、鍛えれば鍛えただけパワフルになり、元気に活動する臓器なのだ。」p.3
・「脳は約140億個の細胞で構成されている。しかし、日ごろ、この脳細胞がもつパワーの数分の一、おそらくは10分の1以下しか発揮されていない。」p.4
・「どうやら脳を鍛え、みがきあげることは、しあわせな生き方を探ることとも重なってくるのではないだろうか。」p.5
・「脳がよく働くかどうかは、もっぱら、このネットワークの形成にかかっている。人の脳の成長とは、いうならば、このネットワークづくりを広げ、ネットワークの働きをスピードアップすることと考えてもいい。 脳細胞のネットワークづくりを促進すること。これが脳を鍛え、みがきあげることの本質なのである。」p.19
・「脳は心地のいいこと、楽しいこと、愉快なこと、ハッピーなことによく反応し、いっそう鍛えられ、活気づくことがはっきりとわかってきたのである。」p.27
・「人にとって、「最大の快楽」は、自分が望んだことが実現されるとか、あるいは自分の力で目標を達成することではないだろうか。つまり、快楽の原点はモチベーションをもつことなのだ。 "やる気" をもつことともいえるだろう。」p.28
・「脳の活力を取り戻すには、精神的な疲労をとるか、逆に身体的な疲労を加えるかの、どちらか、あるいは両方を実践する必要がある。」p.32
・「実際、「あの人は頭がよい」といわれる人を観察すると、よい生活習慣を身につけ、ごく自然体で、脳によい生活を送っている人が多いのに気づくはずだ。」p.33
・「まず、心身が健康であること。たとえば、栄養バランスのよい食生活を送っていること。十分な睡眠をとっていること。そして、なによりも、自分がこうしたいと思うことを、無理のない方法でやっていること。人間関係のストレスが少なく、イライラせず、気持ちに余裕がある。心が自由で、仕事を含めた毎日を楽しむように暮らす――これらが、脳を健やかに、伸びやかに働かせる基本的条件なのである。」p.34 いいなぁ~ こんな毎日~
・「この四つの脳葉(前頭葉・頭頂葉・後頭葉・側頭葉)のうち、運動野、体性感覚野、視覚野、聴覚野をのぞいた部分は「大脳連合野」と呼ばれている。」p.37
・「まず、音読することはいくつもの感覚を刺激する行動ということだ。目で見て、声に出して読む。このように、視覚、聴覚を駆使し、発声することで体も使う。ただ黙読するよりも、脳をずっとたくさん使っているのだ。」p.50
・「北海道大学の澤口俊之教授は、サルを実験対象に選び、モーツァルトの『2台のクラヴィーアのためのソナタ ニ長調K.448』を繰り返し聴かせた。すると、さるの「空間的知能」が大きく伸びたという。」p.57
・「ストレスとは、もともとは物理学用語だった。テニスボールの軟球のようにやわらかなボールを指で強く押すと、ボールがゆがむ。このゆがみをストレスというのである。 人間にもこのボールと同じような現象があらわれると考えた生理学者がいた。カナダのハンス・セリエである。 ストレスはなければないほうがいいという印象があるため、すっかり悪者扱いされているが、本来は、生体にある種の刺激が加わったことに対する反応なので、適度のストレスはあったほうがいい場合もある。セリエも「ストレスは人生のスパイスである」という言葉を残しているほどである。」p.58
・「「人は不快な記憶を忘れることによって防衛する」 と精神分析学の父・フロイトはいっている。」p.61
・「脳が集中を持続できるのは、せいぜい30分。最大でも45~50分程度といわれている。」p.63
・「ローマ時代の哲学者キケロは、「年をとっても健康を保つことは、人間の義務の一つである」と語っている。」p.68
・「ところが実際に、コンピュータゲームに熱中しているときの脳波を測定した結果、ゲーム中の脳は、認知症の人の脳にそっくりということが明らかになった。これが、日本大学の森昭雄教授によって指摘された、いわゆる "ゲーム脳の恐怖" である。」p.85
・「だが、外国語を身につけたいなら、同時に複数の言葉を学ぶほうがいいそうだ。実際に一度に七ヶ国語を学ぶというユニークな勉強法を提唱し、成果をあげている語学教室もある。」p.94 こんなところでヒッポ……
・「子役として一世を風靡し、現在は歌手として活躍している斉藤こず恵さんは、一時期、80キロ以上の肥満体だった。現在は40キロ台。まさに体重を半減することに成功した。 その秘訣を斉藤さんはこう語っている。 「食べてはいけないダイエットは長つづきしません。食べるものを変えればいいんです」」p.108
・「好きだと思った人を誘い出す最初の言葉はたいてい、「今度、お食事でもいかがですか?」ではないだろうか。会社や学校のグループでも、より親しくなるためには宴会や飲み会など一緒に飲んだり、食べたりする機会を設けている。」p.110
・「この膨大なキャパシティをフルに活用すれば、おそらく百科事典五億セット分の記憶を搭載できる機能があるともいわれている。」p.113
・「健康的な飲み方のキーワードは「二」。すなわち、ビールなら中瓶二本、ワインならグラス二杯。日本酒なら二合。さらに週二回の休肝日を設ける。これは、医師が定めた、脳にダメージを与えない酒の飲み方のルールである。」p.131
・「昼寝などの浅い眠りのときに、ひらめきが生れやすい理由は、睡眠の質と脳の働きの関係に潜んでいる。」p.139
・「先に述べたナポレオンも、ベッドで眠ったのは三時間程度だが、実際はもっと睡眠をとっていたといわれる。馬上とか会議の席など、ちょっとした時間に仮眠を取っていたのだ。」p.144
・「左脳のほうが発達していることを証明するように、どの民族でも右利きと左利きの比率はだいたい九対一ぐらいの割合になっている。」p.158
・「日本語には、風の音や雨の音など、自然の音を形容する語彙が多彩にあるという特徴があるが、この特徴も、意味のない自然の音を左脳で聞いて、特定の意味づけをするためではないかといわれている。」p.159
・「アレキサンダー大王、ジュリアス・シーザー、レオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ナポレオン、ベートーベン、エジソン、フロイト、チャーチル、アインシュタイン、ピカソ、チャップリン、ポール・マッカートニー、ビル・ゲイツ……。 彼らは、みな左利きとして知られている。」p.160 そして、ぴかりんも左利き。
・「IQは、20世紀はじめ、フランスの心理学者A.ビネーが考案し、その後、アメリカで手が加えられたものだ。」p.193
・「多変数理論の世界的権威だった数学者の岡潔氏は、「人間の人間たる中心になるのは、科学でもない、理論でもない。情熱だ」と語っている。」p.197
・「心理学者のマーティン・セリグマンは、「過去20年間の心理学の最も重要な発見は、人が考え方を自由に選択できるのに気づいたことだ」といっている。」p.204
・「こうして、人に話を聞いてもらったりして、心のなかに染みついた悩みを積極的に表出することを、専門的にはカタルシスという。」p.206
・「しかし、精神活動が不活発になると、表情から笑いが消えてしまう。よく笑うか、そうでないかは、精神的に健康かどうかをチェックする、一つの目安になっているくらいである。」p.208
・「自己否定は、脳にとっていちばんよくない。」p.217
・「つまり、脳の最高のみがき方は、あなたが幸福に生きる、ということにつきるだろう。」p.220
・「だまされた」 読み始めて数ページで気がついた。『編著』となっているが、共著者の名前はどこ? 探すも見つからず、替わりに巻末にはぎっしりと参考文献が[写真]。ま、まさかこれらの本の著者を共著者と見なしているということ!? そんなのアリなのー!?? 単に『著』としてしまうと、パクリがばれたときにやばいので、『編著』としたと、そういうことなのでしょうか。しかも論文や専門書の類は一冊もなく、全て一般向けの書籍。これが『サイエンスライター』の仕事ならまだわからなくもないのですが、『大学教授』の肩書きを持つお方の仕事とは思えません。ところどころ、ヘェーと思う記述にも出会うのですが、そもそも書名と内容がさっぱり噛み合っていないし、オリジナルの主張も無いぶんいわゆる『トンデモ本』よりも性質が悪いと思います。こんな本を出版していては著者も出版社も信用を落とすだけでなんのメリットも無いのではないでしょうか。理解に苦しむ。
・なんじゃかんじゃ言っても、古本屋で手にとってしまった私の負け。
・「脳はからだの筋肉と同じように、鍛えれば鍛えただけパワフルになり、元気に活動する臓器なのだ。」p.3
・「脳は約140億個の細胞で構成されている。しかし、日ごろ、この脳細胞がもつパワーの数分の一、おそらくは10分の1以下しか発揮されていない。」p.4
・「どうやら脳を鍛え、みがきあげることは、しあわせな生き方を探ることとも重なってくるのではないだろうか。」p.5
・「脳がよく働くかどうかは、もっぱら、このネットワークの形成にかかっている。人の脳の成長とは、いうならば、このネットワークづくりを広げ、ネットワークの働きをスピードアップすることと考えてもいい。 脳細胞のネットワークづくりを促進すること。これが脳を鍛え、みがきあげることの本質なのである。」p.19
・「脳は心地のいいこと、楽しいこと、愉快なこと、ハッピーなことによく反応し、いっそう鍛えられ、活気づくことがはっきりとわかってきたのである。」p.27
・「人にとって、「最大の快楽」は、自分が望んだことが実現されるとか、あるいは自分の力で目標を達成することではないだろうか。つまり、快楽の原点はモチベーションをもつことなのだ。 "やる気" をもつことともいえるだろう。」p.28
・「脳の活力を取り戻すには、精神的な疲労をとるか、逆に身体的な疲労を加えるかの、どちらか、あるいは両方を実践する必要がある。」p.32
・「実際、「あの人は頭がよい」といわれる人を観察すると、よい生活習慣を身につけ、ごく自然体で、脳によい生活を送っている人が多いのに気づくはずだ。」p.33
・「まず、心身が健康であること。たとえば、栄養バランスのよい食生活を送っていること。十分な睡眠をとっていること。そして、なによりも、自分がこうしたいと思うことを、無理のない方法でやっていること。人間関係のストレスが少なく、イライラせず、気持ちに余裕がある。心が自由で、仕事を含めた毎日を楽しむように暮らす――これらが、脳を健やかに、伸びやかに働かせる基本的条件なのである。」p.34 いいなぁ~ こんな毎日~
・「この四つの脳葉(前頭葉・頭頂葉・後頭葉・側頭葉)のうち、運動野、体性感覚野、視覚野、聴覚野をのぞいた部分は「大脳連合野」と呼ばれている。」p.37
・「まず、音読することはいくつもの感覚を刺激する行動ということだ。目で見て、声に出して読む。このように、視覚、聴覚を駆使し、発声することで体も使う。ただ黙読するよりも、脳をずっとたくさん使っているのだ。」p.50
・「北海道大学の澤口俊之教授は、サルを実験対象に選び、モーツァルトの『2台のクラヴィーアのためのソナタ ニ長調K.448』を繰り返し聴かせた。すると、さるの「空間的知能」が大きく伸びたという。」p.57
・「ストレスとは、もともとは物理学用語だった。テニスボールの軟球のようにやわらかなボールを指で強く押すと、ボールがゆがむ。このゆがみをストレスというのである。 人間にもこのボールと同じような現象があらわれると考えた生理学者がいた。カナダのハンス・セリエである。 ストレスはなければないほうがいいという印象があるため、すっかり悪者扱いされているが、本来は、生体にある種の刺激が加わったことに対する反応なので、適度のストレスはあったほうがいい場合もある。セリエも「ストレスは人生のスパイスである」という言葉を残しているほどである。」p.58
・「「人は不快な記憶を忘れることによって防衛する」 と精神分析学の父・フロイトはいっている。」p.61
・「脳が集中を持続できるのは、せいぜい30分。最大でも45~50分程度といわれている。」p.63
・「ローマ時代の哲学者キケロは、「年をとっても健康を保つことは、人間の義務の一つである」と語っている。」p.68
・「ところが実際に、コンピュータゲームに熱中しているときの脳波を測定した結果、ゲーム中の脳は、認知症の人の脳にそっくりということが明らかになった。これが、日本大学の森昭雄教授によって指摘された、いわゆる "ゲーム脳の恐怖" である。」p.85
・「だが、外国語を身につけたいなら、同時に複数の言葉を学ぶほうがいいそうだ。実際に一度に七ヶ国語を学ぶというユニークな勉強法を提唱し、成果をあげている語学教室もある。」p.94 こんなところでヒッポ……
・「子役として一世を風靡し、現在は歌手として活躍している斉藤こず恵さんは、一時期、80キロ以上の肥満体だった。現在は40キロ台。まさに体重を半減することに成功した。 その秘訣を斉藤さんはこう語っている。 「食べてはいけないダイエットは長つづきしません。食べるものを変えればいいんです」」p.108
・「好きだと思った人を誘い出す最初の言葉はたいてい、「今度、お食事でもいかがですか?」ではないだろうか。会社や学校のグループでも、より親しくなるためには宴会や飲み会など一緒に飲んだり、食べたりする機会を設けている。」p.110
・「この膨大なキャパシティをフルに活用すれば、おそらく百科事典五億セット分の記憶を搭載できる機能があるともいわれている。」p.113
・「健康的な飲み方のキーワードは「二」。すなわち、ビールなら中瓶二本、ワインならグラス二杯。日本酒なら二合。さらに週二回の休肝日を設ける。これは、医師が定めた、脳にダメージを与えない酒の飲み方のルールである。」p.131
・「昼寝などの浅い眠りのときに、ひらめきが生れやすい理由は、睡眠の質と脳の働きの関係に潜んでいる。」p.139
・「先に述べたナポレオンも、ベッドで眠ったのは三時間程度だが、実際はもっと睡眠をとっていたといわれる。馬上とか会議の席など、ちょっとした時間に仮眠を取っていたのだ。」p.144
・「左脳のほうが発達していることを証明するように、どの民族でも右利きと左利きの比率はだいたい九対一ぐらいの割合になっている。」p.158
・「日本語には、風の音や雨の音など、自然の音を形容する語彙が多彩にあるという特徴があるが、この特徴も、意味のない自然の音を左脳で聞いて、特定の意味づけをするためではないかといわれている。」p.159
・「アレキサンダー大王、ジュリアス・シーザー、レオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ナポレオン、ベートーベン、エジソン、フロイト、チャーチル、アインシュタイン、ピカソ、チャップリン、ポール・マッカートニー、ビル・ゲイツ……。 彼らは、みな左利きとして知られている。」p.160 そして、ぴかりんも左利き。
・「IQは、20世紀はじめ、フランスの心理学者A.ビネーが考案し、その後、アメリカで手が加えられたものだ。」p.193
・「多変数理論の世界的権威だった数学者の岡潔氏は、「人間の人間たる中心になるのは、科学でもない、理論でもない。情熱だ」と語っている。」p.197
・「心理学者のマーティン・セリグマンは、「過去20年間の心理学の最も重要な発見は、人が考え方を自由に選択できるのに気づいたことだ」といっている。」p.204
・「こうして、人に話を聞いてもらったりして、心のなかに染みついた悩みを積極的に表出することを、専門的にはカタルシスという。」p.206
・「しかし、精神活動が不活発になると、表情から笑いが消えてしまう。よく笑うか、そうでないかは、精神的に健康かどうかをチェックする、一つの目安になっているくらいである。」p.208
・「自己否定は、脳にとっていちばんよくない。」p.217
・「つまり、脳の最高のみがき方は、あなたが幸福に生きる、ということにつきるだろう。」p.220