ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】プチ哲学

2007年07月09日 22時06分15秒 | 読書記録2007
プチ哲学, (文と絵)佐藤雅彦, 中公文庫 さ-48-1, 2004年
・かわいらしい絵柄の哲学的内容を含んだ絵本。『哲学の本』として手にとってしまうと物足りなさを感じる内容ですが、一般向けに哲学に関した内容を砕いて本にするなら、これくらいやらないとなかなか手にとってもらえないだろうと思います。表紙1ページ+絵2or4ページ+解説文1ページで構成される小編が31編収録。普通に読んでしまうと、味わう間もなくアッという間に読み終えてしまうので、一日一編ずつ約一ヶ月かけて読みました。
・「でもここで開発者のひとりが「はがれやすいということは、はがしやすいという事ではないか……」と考え、あの便利なポスト・イットが生まれたそうです。(中略)このような偶然性の発見を、難しい言葉ですが「セレンディピティー」と言います。」p.72
・「風鈴という道具を使えば、見えないそよ風が美しい音に変換され、部屋の中にいる人でも、風の存在がわかるようになるのです。  「見ること」が、人間の最も得意な行為だとすると、「見えないものを見えるように(知覚できるように)すること」は、最も人間的な行為と言えるのかもしれません。」p.100
・「私たちはものごとの意味を、常に考えて行動しているわけではないのですが、このように、無意識のうちにいつも「ものごとの意味」をさがしています。別の言い方をすれば、 "私たちは意味からなかなか離れられない" のです。」p.104
・「いい道具というのは、むこうからこう使ってくださいという働きかけをしています。  これを難しい言葉ですが、「アフォーダンス」と言います。(中略)このアフォーダンスという考え方は、人間と物との関係をとらえるうえで、今とても大切なキーワードとなっています。」p.126
・「僕が皆さんにこのプチ哲学で伝えたかったことは大きく言えばひとつです。それは、『考えることって、楽しいかも』ということなのです。」p.140
・「きっと、この広告の制作者の頭の中で、(中略)アイデアがパン! と閃いたのではないだろうか。この広告を見た途端、僕はその瞬間を想起してしまった。他人の頭で起こったかもしれないことを、勝手に追体験したのだ。  「考える」ということを、自分は何のためにやっているかというと、このパン! という瞬間に生まれる「!」の「喜び」のためにやっている、といっても過言ではない。」p.154
コメント
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