ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【本】アシモフの雑学コレクション

2007年09月19日 22時33分59秒 | 読書記録2007
アシモフの雑学コレクション, I.アシモフ (編訳)星新一, 新潮文庫 ア-6-4(3659), 1986年
(ISAAC ASIMOV'S BOOK FACTS, Isaac Asimov, 1979)

・アシモフがあちこちから集めた豆知識集。単なる事実の羅列にとどまらず、星新一の意訳によってショートショート的な要素も加わっている。一行ショートショートとでも呼ぶべきか。
・暇を見つけては一トピック(数ページ)ずつ読み進み、2ヶ月ほどかけて読了。
・「地上で最も低い場所は、ヨルダン川が死海にそそぐ河口。海面下四百メートル。」p.13
・「毎年、多い時は150トンの隕石が落下する。知られている限り、その死亡者は七人。」p.17
・「銀河系のなかで、太陽より大きい恒星は、5パーセントしかない。5パーセントといっても、50億だが。」p.19
・「木星の円周は地球の10倍以上だが、その自転は9時間55分。」p.19
・「皆既日食でわかる通り、地球からのみかけの大きさは、太陽と月はぴたりと合う。たぶん偶然だろう。ほかの惑星にはない。」p.20
・「ノーベル賞を受けたウォルド教授は「地球で生化学を学んでおけば、よその星でも通用する」と言っている。他星に生命が存在しても、科学的性質は基本的に同じだろう。」p.25
・「サハラ砂漠には1979年2月18日まで、雪の降った記録もいいつたえもない。この日、アルジェリア南部での30分の吹雪、交通がとまった。」p.34
・「アメリカでの自然災害による死者は、落雷によるものが一番多い。毎年、平均四百人が死に、千人が負傷している。」p.34
・「アマゾン川は大きく、地上を流れる淡水の五分の一に当る。その流域の面積は、アメリカ合衆国に近い。」p.38
・「一つのハリケーンの十分間の活動は、1979年における世界中の核兵器と大差ないエネルギーである。」p.41
・「地球に当っているのは、太陽の放出しているエネルギーの、二十億分の一。しかし、その数日分は、地球上の石油、石炭、木をすべて燃料にしたのとほぼ同じ。」p.43
・「錬金術で鉛を金に変えることが成功していても、利益は上がらなかったろう。量がふえれば、価値も下がるのだ。」p.45
・「非常に細い金糸で織った布が、ゴールド・ティッシュ。そのあいだにはさむための紙が、ティッシュ・ペーパー。いまは意味がひろがったが。」p.45
・「宇宙で最も多い化合物は、水。」p.48
・「地球上に存在したすべての生物の、九十九パーセントが、すでに絶滅している。」p.49
・「盲導犬は、赤と青の信号を識別できない。車の流れを見て、安全と判断して渡る。」p.58
・「コウモリは、飛べる唯一の哺乳類。ムササビもフクロネズミも、滑空するだけ。」p.59
・「哺乳類では、大型のほうが長く生きる。その例外が人間。理由は不明である。医学の進歩だけではないようだ。」p.61
・「アメリカの霊長類研究所で、十七組のゴリラの母子を観察した。母と子の二匹だけを檻に入れると、母ゴリラは必ず子を虐待する。  グループで生活させると、子に母親らしい愛情を示す。」p.61
・「コアラはユーカリの木だけで生きている。ほかは、なにもいらない。水さえも。」p.63
・「史上最大の動物は、シロナガスクジラ。体重二百トンにもなる。最大の恐竜の二倍に近い。」p.65
・「魚も船酔いする。ガラス鉢を人工的に揺らせたら、金魚が船酔いになった。」p.67
・「クジラは眼球が動かせない。横を見るには、巨体を動かさなければならない。」p.67
・「多くの鳥は、地面におりている時は鳴かない。飛ぶか、なにかにとまっている時に鳴く。海辺の鳥は、いくつかの例外はあるが。」p.70
・「レタラックが1969年にした実験で、音楽と植物の発育の関係が判明した。ロックの音楽は成長をさまたげ、変形をひきおこす。クラシックだと、害を受けない。」p.72
・「地球上の植物の85パーセントは、海中で生きている。」p.73
・「足の冷えるのを防ぐには、帽子がいい。からだの熱の八割は、頭から発散している。」p.75
・「角膜は人体のなかで、血液を要しない唯一の組織。酸素は直接、空気中から摂取する。」p.76
・「肝臓は八割が切除されても、機能をつづけ、三ヶ月ほどでもとの大きさに戻る。」p.77
・「死体の動脈は、血がなく、からっぽである。古代ギリシャの医学者は、空気の流れるものと思った。」p.79
・「いかなるガンにもならない集団が、世界に一つだけある。カシミール北西部の、フンザ族。長寿でも有名である。」p.81
・「脈での診断は、何千年も前の中国で発達した。身体の十一の部分で、五十一種の脈を判断でき、健康の障害がわかるとされた。」p.85
・「世界に二百五十万人の医者がいるが、能力はべつとして、そのうち五分の一はロシア人である。」p.86
・「ミシガン大学の二人の伝染病学者の研究によると、高等教育を受けた者ほど、カゼをひきやすい。」p.88
・「アインシュタインの脳は、グラム単位に分解され、分析が進められている。」p.90
・「一分間に、100人が死に、240人が生まれている。つまり、世界の人口は、一分で140人増加する。」p.104
・「2500年ほど前、ギリシャの歴史家ヘロドトスは、カイロのそばの三大ピラミッドを訪れた。見物人は、観光客ばかり。その当時、すでに二千年以上も古いものだったのだ。」p.111
・「ローマ人をふやそうと、シーザーは子の出産に奨励金を払った。子のない女性は、カゴに乗ることも、宝石を身につけることも許されなかった。」p.116
・「エッフェル塔は、高さ三百メートル。しかし、気温によって15センチの変化がある。」p.122
・「シーザーの名は、支配者の呼称として長く使われた。オーストリア・ハンガリー皇帝たちは、カイザー。ロシアの皇帝はツアー。いずれもシーザーの変化したもの。」p.128
・「アメリカの大統領は、本人の同意がないと逮捕されない。」p.135
・「ひとりっ子で大統領になった者は、いない。」p.137
・「メキシコのアステカ族は、毎年、人口の一パーセントの25万人ちかくを、神への犠牲とした。死体は、タンパク質の不足しがちな民衆に食べられた。」p.151
・「12月25日がクリスマスとして祝われるようになったのは西暦440年以後。」p.161
・「イエス・キリストは、知られているのより四年から八年ほど前に生れた。ユダヤのヘロデ王の治世に生れたとされているが、その王は、イエス誕生とされる時より前(紀元前四年)に死んでいるのだ。だれかの計算ちがいだが、もう訂正もできない。」p.163
・「ユダヤ教、初期のキリスト教では、一日は日没からはじまった。クリスマス・イブとは、本来、クリスマスの一日の前半である。」p.165
・「世界で最も古い長編小説『源氏物語』を書いたのは紫式部(978-1026)である。その日記にも書かれているが、当時の日本にはすぐれた女流作家が多くいた。惜しくも作品が残っていない。  11世紀以後は、仏教の影響で、女性の地位が低くなってしまった。」p.168
・「ユダヤ人の大量処刑の責任者アイヒマンは、イスラエルでの法廷で、ヒトラーの『わが闘争』を読んでないと断言した。ナチの幹部たちも、同様だった。みな、退屈なものと敬遠したのだ。」p.172
・「世界一の美術館は、レニングラードのエルミタージュ。三百万ちかい美術品があり、322室、全部をまわると、25キロ。」p.176
・「描いた絵が気に入らず、それを消しながらピカソはつぶやいた。  「十万フランなのだがな」」p.179
・「明白にアメリカ産のスポーツは、バスケットボール。1891年、マサチューセッツ州の現スプリングフィールド大の体育教師ネイスミスが考案した。」p.186
・「初期の野球のルールでは、どっちのチームが先に21点をとるかだった。」p.187
・「ピョートル大帝は妻の浮気の相手を処刑し、その頭をアルコールづけにし、びんに入れた。妻はそれを寝室に置かなければならなかった。」p.204
・「伝説めいているが、ニュートンとリンゴの話は本当である。本人の説明によると、リンゴの落ちるのを見たあと、空の三日月が目に入った。月にもリンゴを落とす力があるのではと考え……。  リンゴが頭に当ってというのは、だれかの創作が加わったものだ。」p.211
・「アインシュタインの最期の言葉は、永遠のなぞ。つぶやいたのはドイツ語で、そばにいた看護婦は英語しかわからなかった。」p.212
・「普通の爆薬は原子が反応するので、原子爆弾と呼べる。いわゆる原爆は、核の反応によるものなので、核爆弾と呼ぶのが適当だ。」p.237
・「極度の恐怖でも、どんな理由でも、一晩で白髪に変ることはない。」p.237
・「最後の晩餐を描いた絵は多いが、机の上にオレンジがあってはおかしい。キリストが死んで先年ほどたって、中国から地中海沿岸に種子と栽培法が伝えられた。」p.241
・「アイスランドでは、一人あたりの読書量は世界一。」p.267
・「世界で最も多い名前は、中国風のチャンでもなく、英語風のジョンでもない。モハメッドである。」p.268
・「火星を表す記号は♂、金星は♀だが、オスとメスの区別にも使ったのは、リンネが最初である。」p.269
・「万里の長城は、北方からの侵入を防ぐ。その気になれば、はしごで簡単に越えられる。しかし、馬は越えられない。北の連中は、馬なしだと、とるにたらない相手なのだ。」p.293
・「人間の多くは、誕生日後に死亡率が高くなる。社会学者のクンツは、1975年にソルトレイク市の新聞にのった死亡広告から、無作為に選んだ747件について調べた。  その結果、46パーセントが誕生日から三ヶ月以内に死亡し、六ヶ月以内となると77パーセントとなることが判明。誕生日前の三ヶ月以内では、たったの8パーセント。  内心で、誕生日をひとつの目標にしているのかもしれない。期待の日がすぎると、緊張がゆるみ、体調に影響するのか。」p.309
コメント (2)
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