最後は機能性と器質性の眼瞼痙攣の鑑別です.機能性眼瞼痙攣は実はまれではなく,単一施設の症例集積研究でで20%を占めていたという報告があります.機能性を疑うヒントとして異常な視覚症状を訴えたり,突然発症して初めから長時間の眼瞼攣縮を呈するといったことが挙げられます(器質性の場合,徐々に長時間の眼瞼攣縮に移行します).図上のように強い閉眼を来たし,眉毛は下がり,Babinski 2 signは認めません.また何かに集中させたり夢中にさせたりすると(distraction),完全に消失します(図下).
他の鑑別点としては,器質性の場合,感覚トリックを認めることがありますが,機能性では存在しないか,触れたりすることで症状が悪化します.また機能性ではMRAで椎骨脳底動脈の蛇行を認めません.またボツリヌス毒素注射を行うと,器質性では効くまで時間がかかかります.もし注射して即座に改善した場合には「これは機能性かも!」と診断を見直す必要があります.
Gazulla J, et al. Parkinsonism Relat Disord. 2015;21(3):325-6.
Frucht L, et al. Front Neurol. 2021 Feb 4;11:605262.
他の鑑別点としては,器質性の場合,感覚トリックを認めることがありますが,機能性では存在しないか,触れたりすることで症状が悪化します.また機能性ではMRAで椎骨脳底動脈の蛇行を認めません.またボツリヌス毒素注射を行うと,器質性では効くまで時間がかかかります.もし注射して即座に改善した場合には「これは機能性かも!」と診断を見直す必要があります.
Gazulla J, et al. Parkinsonism Relat Disord. 2015;21(3):325-6.
Frucht L, et al. Front Neurol. 2021 Feb 4;11:605262.