日本神経学会は,医師のバーンアウトに対して先駆的な取り組みを行っています.2019年10月,医師のバーンアウトに関連する要因を明らかにし,今後の対策に活かすためのWEBアンケートを行い,脳神経内科医1,261名から回答を得ました.先日,第1報を発表し,バーンアウトの最大の要因は「自身の仕事を有意義と感じられないこと」であることを示しました.さらに今回,バーンアウト研究の第一人者久保真人先生(同志社大学),女性専門医に対するアンケートを行うなどこの問題に取り組んできた饗場郁子先生(東名古屋病院)らが中心となり,男女差を解析した第2報を発表しました.
この結果わかったことは,①勤務・生活状況では既婚者のみに有意な差が認められ,労働時間など勤務状況では男性のほうが厳しい条件で勤務していること,家事分担では女性の負担が重いこと,②日本版バーンアウト尺度による分析では,バーンアウトに性差は認められないこと,③しかしバーンアウトと関連する要因については,男女に共通するものとして「自身の仕事を有意義と感じられないこと」「個人/家族生活のために十分な時間が取れないこと」「事務作業に費やす時間が多いこと」「年齢」がある一方,男性特有のものとして「スタッフの充足」「脳神経内科を選ぶ動機となった活動に十分時間を費やせないこと」があり,女性特有のものとして「外来患者診察数」が見出されました.男女ごとに対策を考える必要性が示唆されます.本論文は以下からDLできますので,ご一読いただき,この問題に一層の関心を持っていただければと思います.
脳神経内科医におけるバーンアウト(第2報)―男性医師と女性医師の比較―.臨床神経2021;61:219-227
この結果わかったことは,①勤務・生活状況では既婚者のみに有意な差が認められ,労働時間など勤務状況では男性のほうが厳しい条件で勤務していること,家事分担では女性の負担が重いこと,②日本版バーンアウト尺度による分析では,バーンアウトに性差は認められないこと,③しかしバーンアウトと関連する要因については,男女に共通するものとして「自身の仕事を有意義と感じられないこと」「個人/家族生活のために十分な時間が取れないこと」「事務作業に費やす時間が多いこと」「年齢」がある一方,男性特有のものとして「スタッフの充足」「脳神経内科を選ぶ動機となった活動に十分時間を費やせないこと」があり,女性特有のものとして「外来患者診察数」が見出されました.男女ごとに対策を考える必要性が示唆されます.本論文は以下からDLできますので,ご一読いただき,この問題に一層の関心を持っていただければと思います.
脳神経内科医におけるバーンアウト(第2報)―男性医師と女性医師の比較―.臨床神経2021;61:219-227