英国ではアフタヌーンティが有名ですが,紅茶にビスケットを浸して食べるダンキング(dunking)という習慣があるそうです.英国人によると,とても美味しくなるのだそうです.さて由緒ある英国の医学誌British Medical Journalの年1回のお楽しみ,クリスマス論文が発表されています.AIが放射線専門医試験に合格するかとか,がんの原因に関するエセ科学とかありますが,標題の論文が自分の1番好みだったのでご紹介します.
研究目的は,病院のスタッフルームで利用できるリソースを用いて,口の中をやけどすることなく最高の一杯の紅茶を飲むために必要な時間と,ダンキングに適したビスケットを決定することです.研究デザインは前方視的非盲検化試験で,外科のスタッフルームで紅茶を入れ,ビスケットの比較を行いました.4種類の丸型非チョコレートビスケットとして,オート麦,ダイジェスティブ,リッチティー,ショーティを準備し,ティーカップは色や口当たりに関して治験責任医師の好みに基づいて決定しました.主要評価項目は,紅茶がやけどをしない安全な温度に達するまでの時間と,ビスケットの栄養,歯ごたえ,紅茶の吸収力,浸したあとの破損の状況としました.さて結果ですが,ティーカップに240 mLの沸騰したてのお湯を加えた後,紅茶の温度の中央値は82℃(範囲81~84℃).30 mLの牛乳を足して400秒,40 mLの牛乳を足して370秒たつと,世界共通の飲み頃温度61℃が達成できました!著者らは牛乳40 mLでの紅茶の色がもっとも好ましいと考えました.紅茶に浸したとき,もっとも形態を維持しブレイクポイント(破損)しなかったのはオート麦のビスケットでした.またダンキングは紅茶を冷ます効果があることからも推奨されますが,その効果はオート麦ビスケットで最も目立ちました.研究の結果,オート麦>ダイジェスティブ>ショーティ>リッチティーの順にオススメということになりました(図).
以上より,医療従事者は10分の時間があれば安全に紅茶を飲むことができ,そしてビスケットとしてはオーツ麦がオススメです.どんなに忙しくても10分の時間を作ることは,医療従事者のブレイクポイントの防止(=気分やパフォーマンスの向上)に役立つかもしれません.私もオート麦ビスケットを試してみます 笑(https://amzn.to/3v8z7ip).ちなみに研究タイトルのDUNCは「紅茶を浸す(dunk)」とかけていますね.
Jones C, Francis J. Direct Uptake of Nutrition and Caffeine Study (DUNCS): biscuit based comparative study. BMJ. 2022 Dec 19;379:e072839.(doi.org/10.1136/bmj-2022-072839)
研究目的は,病院のスタッフルームで利用できるリソースを用いて,口の中をやけどすることなく最高の一杯の紅茶を飲むために必要な時間と,ダンキングに適したビスケットを決定することです.研究デザインは前方視的非盲検化試験で,外科のスタッフルームで紅茶を入れ,ビスケットの比較を行いました.4種類の丸型非チョコレートビスケットとして,オート麦,ダイジェスティブ,リッチティー,ショーティを準備し,ティーカップは色や口当たりに関して治験責任医師の好みに基づいて決定しました.主要評価項目は,紅茶がやけどをしない安全な温度に達するまでの時間と,ビスケットの栄養,歯ごたえ,紅茶の吸収力,浸したあとの破損の状況としました.さて結果ですが,ティーカップに240 mLの沸騰したてのお湯を加えた後,紅茶の温度の中央値は82℃(範囲81~84℃).30 mLの牛乳を足して400秒,40 mLの牛乳を足して370秒たつと,世界共通の飲み頃温度61℃が達成できました!著者らは牛乳40 mLでの紅茶の色がもっとも好ましいと考えました.紅茶に浸したとき,もっとも形態を維持しブレイクポイント(破損)しなかったのはオート麦のビスケットでした.またダンキングは紅茶を冷ます効果があることからも推奨されますが,その効果はオート麦ビスケットで最も目立ちました.研究の結果,オート麦>ダイジェスティブ>ショーティ>リッチティーの順にオススメということになりました(図).
以上より,医療従事者は10分の時間があれば安全に紅茶を飲むことができ,そしてビスケットとしてはオーツ麦がオススメです.どんなに忙しくても10分の時間を作ることは,医療従事者のブレイクポイントの防止(=気分やパフォーマンスの向上)に役立つかもしれません.私もオート麦ビスケットを試してみます 笑(https://amzn.to/3v8z7ip).ちなみに研究タイトルのDUNCは「紅茶を浸す(dunk)」とかけていますね.
Jones C, Francis J. Direct Uptake of Nutrition and Caffeine Study (DUNCS): biscuit based comparative study. BMJ. 2022 Dec 19;379:e072839.(doi.org/10.1136/bmj-2022-072839)