もう随分前のことになりますが、フラメンコの踊り手の方とお話しをしたことがありまして…。
そのとき、へぇぇぇ…と改めて知ったことがあります。それは、
顔も胴体も正面に向けたままで真横 に移動するのはバレエだけ
ということです。
フラメンコの場合、横に移動するときは顔は正面に向けていても胴体と両足は進行方向を向くのだそうです。
そういわれたとき初めて、アレ、そういえばそうかな…、と気付いたんですよね。
お能の仕舞でも一般的な日本舞踊でも、確かに横に移動するときは顔も胴体も両足も進行方向を向いていますよね。
あぁ、そうか、完全なアン・ドゥオールがあるかないかの違いがそこに出るんだな、と理解したのです。
それまで、顔も胴体も正面に向けたままで横移動するなんて単なる当たり前のことで、改めて考える必要のないことだったんです。
そのことがあってから、バレエのパやアンシェヌマンのなかにある法則性のようなものに意識を向けるようになりました。
私自身は長年のレッスンによって身体が覚えてしまっていて“そう動いて当たり前”のことでも、初めてバレエを習う方、とくに大人になってからバレエをはじめる方にとっては
なぜそう動かなければならないか、なぜそのポジシオンでなければならないか
を理解出来れば、その分上達が早いんじゃないか、と考えるようになったのです。
運動神経や身体運動の統合性がまだ確立していない子供の場合は、何度も繰り返し動くことで身体に覚えさせる。
大人の場合はどう動けばいいかという理屈をきちんと教えて、意識的に身体を動かすことで習得させる。
そんな違いがあるのではないか、あってもいいのではないかと考えています。
子供の場合は、5番ポジシオンの前後を間違えた場合、何度でも繰り返し注意をして修正させる。そのうちに前でなければならないのか後ろでなければならないのか、身体が覚えてしまいます。
でも、大人の場合はちょっと違うようです。
なぜ前あるいは後ろでなければいけないのか、逆にすることはなぜ間違いなのか
という疑問をもつようです。
実際パッと見には5番ポジシオンの前であろうが後ろであろうが違いはないように思えるからでしょう。
単に間違いを繰り返し注意するだけよりも、そんな疑問をきちんと解決してあげるほうが、上達が早いように思います。
一昨日のクラスで練習したタン・リエの基本の≪基≫で考えてみましょうか。
右脚前5番ポジシオン⇒右脚ポワン・タンジュ・ドゥ・ヴァン→タン・リエ・アン・ナヴァン→右脚前5番→右脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→右にタン・リエ・ドゥ・コテ→左脚前5番→左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→タン・リエ・アン・ナヴァン→左脚前5番→左脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→左にタン・リエ・ドゥ・コテ→右脚前5番
いくつか、疑問が浮かぶでしょ。
右のタン・リエ・アン・ナヴァンのあとの右脚前5番から、後ろ側の左脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドにしてはいけないのか。
右にタン・リエ・ドゥ・コテのあと、左脚後ろの5番にしてはいけないのか。
その疑問に正確に答えるとするならば、
そのように指定されている場合は です。ただしこのアンシェヌマンはアン・ナヴァンとドゥシュでと指定されていますから、間違いということになるのです。
詳しく説明しますとね…。
の場合は左にタン・リエ・ドゥ・コテをすることになりますね。そして右脚を5番ポジシオンの前に引きつける(ドゥシュ)と、また右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァンからのタン・リエをすることになりますから、アンシェヌマンを左に移すことが出来なくなります。
それなら、右脚を後ろに引きつければいいじゃないか、と思うでしょ それが間違いなんです。後ろに引きつけたらドゥスになってしまうからです。
の場合のように左脚後ろにしたら、もう一度右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァンからタン・リエ・アン・ナヴァンをすることになって、アンシェヌマンを左に移すことが出来ません。
それなら、左脚後ろのポワン・タンジュ・デリエールにすればいいじゃないか、と思うでしょ それも間違い。それだとタン・リエ・アン・ナリエールになってしまうから、アンシェヌマン全体の構成を崩してしまいます。
そして、ここが法則性という鍵 なのですが
5番ポジシオンの前側の脚は前か横にしか出せない=後ろ側の脚は後ろか横にしか出せない
ということです。
実際には、5番ポジシオンの前側の脚をちょいとズラすなり途中をはしょるなりして後ろに動かすことは出来ます。でもそんな動きは正しいポジシオンからハズているし、脚のターン・アウトを失っていたりして美しくありません。
では、5番ポジシオンの前側の脚を後ろに動かすことはしないのかといえば、します。ただしその場合は軸脚(5番ポジシオンの後ろ側だった脚)を迂回する動きを伴ってという条件のもとに、です。
理屈は理屈に過ぎないのだけど、その理屈が大事なときもある、と思うのです
そのとき、へぇぇぇ…と改めて知ったことがあります。それは、
顔も胴体も正面に向けたままで真横 に移動するのはバレエだけ
ということです。
フラメンコの場合、横に移動するときは顔は正面に向けていても胴体と両足は進行方向を向くのだそうです。
そういわれたとき初めて、アレ、そういえばそうかな…、と気付いたんですよね。
お能の仕舞でも一般的な日本舞踊でも、確かに横に移動するときは顔も胴体も両足も進行方向を向いていますよね。
あぁ、そうか、完全なアン・ドゥオールがあるかないかの違いがそこに出るんだな、と理解したのです。
それまで、顔も胴体も正面に向けたままで横移動するなんて単なる当たり前のことで、改めて考える必要のないことだったんです。
そのことがあってから、バレエのパやアンシェヌマンのなかにある法則性のようなものに意識を向けるようになりました。
私自身は長年のレッスンによって身体が覚えてしまっていて“そう動いて当たり前”のことでも、初めてバレエを習う方、とくに大人になってからバレエをはじめる方にとっては
なぜそう動かなければならないか、なぜそのポジシオンでなければならないか
を理解出来れば、その分上達が早いんじゃないか、と考えるようになったのです。
運動神経や身体運動の統合性がまだ確立していない子供の場合は、何度も繰り返し動くことで身体に覚えさせる。
大人の場合はどう動けばいいかという理屈をきちんと教えて、意識的に身体を動かすことで習得させる。
そんな違いがあるのではないか、あってもいいのではないかと考えています。
子供の場合は、5番ポジシオンの前後を間違えた場合、何度でも繰り返し注意をして修正させる。そのうちに前でなければならないのか後ろでなければならないのか、身体が覚えてしまいます。
でも、大人の場合はちょっと違うようです。
なぜ前あるいは後ろでなければいけないのか、逆にすることはなぜ間違いなのか
という疑問をもつようです。
実際パッと見には5番ポジシオンの前であろうが後ろであろうが違いはないように思えるからでしょう。
単に間違いを繰り返し注意するだけよりも、そんな疑問をきちんと解決してあげるほうが、上達が早いように思います。
一昨日のクラスで練習したタン・リエの基本の≪基≫で考えてみましょうか。
右脚前5番ポジシオン⇒右脚ポワン・タンジュ・ドゥ・ヴァン→タン・リエ・アン・ナヴァン→右脚前5番→右脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→右にタン・リエ・ドゥ・コテ→左脚前5番→左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→タン・リエ・アン・ナヴァン→左脚前5番→左脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→左にタン・リエ・ドゥ・コテ→右脚前5番
いくつか、疑問が浮かぶでしょ。
右のタン・リエ・アン・ナヴァンのあとの右脚前5番から、後ろ側の左脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドにしてはいけないのか。
右にタン・リエ・ドゥ・コテのあと、左脚後ろの5番にしてはいけないのか。
その疑問に正確に答えるとするならば、
そのように指定されている場合は です。ただしこのアンシェヌマンはアン・ナヴァンとドゥシュでと指定されていますから、間違いということになるのです。
詳しく説明しますとね…。
の場合は左にタン・リエ・ドゥ・コテをすることになりますね。そして右脚を5番ポジシオンの前に引きつける(ドゥシュ)と、また右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァンからのタン・リエをすることになりますから、アンシェヌマンを左に移すことが出来なくなります。
それなら、右脚を後ろに引きつければいいじゃないか、と思うでしょ それが間違いなんです。後ろに引きつけたらドゥスになってしまうからです。
の場合のように左脚後ろにしたら、もう一度右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァンからタン・リエ・アン・ナヴァンをすることになって、アンシェヌマンを左に移すことが出来ません。
それなら、左脚後ろのポワン・タンジュ・デリエールにすればいいじゃないか、と思うでしょ それも間違い。それだとタン・リエ・アン・ナリエールになってしまうから、アンシェヌマン全体の構成を崩してしまいます。
そして、ここが法則性という鍵 なのですが
5番ポジシオンの前側の脚は前か横にしか出せない=後ろ側の脚は後ろか横にしか出せない
ということです。
実際には、5番ポジシオンの前側の脚をちょいとズラすなり途中をはしょるなりして後ろに動かすことは出来ます。でもそんな動きは正しいポジシオンからハズているし、脚のターン・アウトを失っていたりして美しくありません。
では、5番ポジシオンの前側の脚を後ろに動かすことはしないのかといえば、します。ただしその場合は軸脚(5番ポジシオンの後ろ側だった脚)を迂回する動きを伴ってという条件のもとに、です。
理屈は理屈に過ぎないのだけど、その理屈が大事なときもある、と思うのです