アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

型、型無し、型崩れ…♪

2015-09-29 08:13:22 | Weblog
megumiさんへ。
コメント、ありがとうございます😊 表現する事というのは見て下さる方に〈伝える〉ためにあり、伝わらないのなら、それは表現出来ているとは言えない、と私は考えています😌

さて、私が基本の動きの正確さや正確なポジシオンにこだわるようになったきっかけについてお話ししましょう。
それは、十八代目中村勘三郎さんがまだ勘九郎を名乗っておられた頃に語られた事です。
若い頃の勘九郎さんは、現代的な歌舞伎、斬新な表現を試みようとしては、その度に父上の十七代目から叱られたそうです。
「型通りに❗」
と…。
初めはなぜそうしなければならないのか納得出来なかったそうです。それでもいわれる通りに型通りに、型通りに、と舞台を務めているうちに感得したのですって。
頭で考えなくても身体がその型をやれるようになったとき、型通りでなくても本当の表現になる。それを
「型破り」
っていうんだよ、とそんな内容でした。
また、本になる型が身に付いてないのにうわべだけで芝居をしたつもりになってる、そういうのを
「型無し」
っていうんだよ、とも。
そのとき、あぁ、クラシック・バレエと同じだな、と思ったの。
トルソーは、アームスは、ルルヴェは、ルティレは、etc.etc.…、こうでなければなりません、という型が決まっている。
その型、ポジシオンの事を頭で考えなくても当たり前に動けるようになったとき、人それぞれの身体的条件の違いが個性となって現れる。
私はそんな風に理解したのです😌
そしてそれ以降、個性的という言葉を追わなくなりました。
拠り所であり根本である型が身に付いていないのに、安易に個性的などという言葉に惑わされたのでは、結局のところ単なる
「型崩れ」
で終わってしまう、とも考えました。
私が日頃のレッスンで正確な動きを大事にするのにはそんなきっかけがあったんです😊
コメント (1)
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