魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

パリスの審判

2012年11月29日 | ワイン ~2019年
「今さら」と思うかもしれませんが、「パリスの審判」を読んでみました。


これ市立図書館で借りれるんですよ。

しかも最寄りの公民館で貸出し、返却も出来るんです。素晴らしい!







さて、内容ですがとてもマニアックなので、ワインの知識がほとんどない方
には何のことやら分かりっこないというとんでも本でした。


一般の方にはお奨めできません。業界人かマニア向けです。


ただ、「パリスの審判」といわれる内容は1976年、パリで行われたフランスと
カリフォルニアワインのブラインド対決のおはなしです。


カリフォルニアからすると敵地(完全アウェー)で、テイスターもフランス人
ばかり。しかも伝統ある有名なトップクラスのフランスワインたちとの対決です
から不利な状況です。


片やフランス側からすると、「新興国の田舎もの、アメ公のワインなんてどん
なもんだい!」と半分からかいながらの勝負だったのでしょう。


その結果はもちろん・・・・・



カリフォルニアの大勝利!


そのニュースの激震は世界中へと伝わり、フランス至上主義に風穴を開けた
有名な事件となったのです。



その採点表を見ると「カリフォルニアワインには点数をほとんどやらんぞ!」
とも言えるほど悪意に満ちた審査員の人間性を疑うほどの点数も載っています。

両国の代表するワインの差が片や16点、片や0点、1点、2点とかあり得ません。
(20点満点方式です)


まあ、それくらいフランス人としてフランスワインに誇りを持っていたのでしょう
が、あまりに理不尽な評価に怒りがこみ上げました。
(DRCの分裂へとつながる伏線でもあります。それはまた後日書くことも
あるかと思います)


私もこの話は昔から知っていたのですが、採点表を見たのは初めてでした。

人間ってえげつないな~と思いましたよ。
差別というかヘイト採点とも言えます。ワインを愛しているなら、それはない
な~と明らかに思います。


この本とはまた別のはなしですが、その後何度もブラインド対決に於いて、カリ
フォルニアワインは勝利を納めています。


さて、パリスの審判でCh.ムートンやオー・ブリオン、モンローズなどを破って
勝利したカリフォルニアワインはワインは本の表紙にも載っていますがこれです。





白は「シャトー・モンテレーナ」で赤は「スタッグスリープ カスク23
(上の写真)」です。


当店にも置いているのですが、いつもワイン庫の中でこれを見つめてると、
ついついよだれが出てくる私です。(2万円台です)



もちろん、他の両国のワインが出ていたならば結果は違っていたかもしれません。


こんな話を書くと、私がいかにもカリフォルニア(USA)贔屓か?と疑われ
かねませんが、実はまったくそんなことはありません。フランス一辺倒という
わけでもなく、ワインを愛する思いに国境などまったく関係ない!とだけ申し
上げておきましょう。


コメント
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