クリスマスも近いので、今日はシャンパンのおはなし。
シャンパーニュ地方において、シャンパーニュ製法で造られるものこそ、
本当の「シャンパン」なのです。カッコ良く「シャンパーニュ」でもいいでしょう。
華麗な泡を奏でるシャンパン、その味わいや美しさは絵になります。
普通のスパークリング・ワインではいけません。
ましてやスペインの「カヴァ」やイタリアの「スプマンテ」では
お話になりません。(お国が違えばそのように呼びます)
えっ、どう違うかって?
実は
気分が違う んです。
いやね、きょうびどこも上手に造られていて、味わいはたいして変わらないんですが、
シャンパンは「高い」んです。どうかしたものは、「や・た・ら・と高い」んです。
「ヴィンテージ・シャンパン」なんてちょっと古くなるだけで、「コルトン・シャルル
マーニュ」や「モンラッシェ」が飲めてしまうくらい高い。
純粋に白ワインを味わうんだったら、「モンラッシェ」を飲む方が、正直遥かにコスト
パフォーマンスが良く、満足感も得られるでしょう。
そういった誘惑を乗り越え、さらに異性を口説く下心を持って
こそ、
シャンパンの存在は意義があるのです。
決してケチってはいけませんよ。奮発してでもシャンパーニュであるべきなのです。
なぜかというと・・・・・・、定番シチュエーションのおはなしをしましょう。
休みの日の前日、
一緒に食事をし、映画を見たデートの後、男性は決まって女性を送りますね。
彼女のアパートの前、今日のお別れの場面で、
「シャンパンを用意してあるの」
なんと美しい言葉でしょうか!
こう彼女が切り出したら、男はもうためらってはいけません。
「今夜は泊っていっても良いのよ
」の合図なのですから。
粋で素敵な誘い文句ですね。
その後、ベッドでシャンパンを飲みながら、夜は更けていきます。
黄金の液体の中、立ち昇る泡に包まれ、甘い大人の時間が訪れます。
グラスはそのまま。そして・・・・・・・・、
朝を迎えます。
ふと目覚めた側には、シャンパンの入ったフルートグラス。
翌朝になっても、シャンパンの泡はまだ消えずに立ち昇ってます!
まだ、昨晩の余韻のメロディーを奏でているのです。
(安物のスパークリングだとこうはいきません。スカスカです。)
そして休日の朝、彼女の匂いと温もりの残るベッドで、
また寝起きの一杯を味わうのです。
これぞ
至福のひととき だと言われています。
これが「正しい朝シャン」の姿です。
シャンパーニュはガス圧が高くて、泡が途切れることなく湧き上がってきます。
安物ではガス圧が低くて、へたるのは早いです。
これが泡のない白ワインだとしましょう。
今日の別れの場面で・・・、「白ワインが冷えてるの」じゃ情緒がないです。
誘い文句としては弱いのです。美しい名前の白ワイン、例えば、
「プイィ・フュイッセが冷えてるの」だと、きれいではあるでしょう。
しかし、たいていの男には何のことだかさっぱり分からないでしょう。
シャンパンはたったそれだけでも存在意義があるのです。
えっ、そんな映画みたいなことやったことあるかって?
・・・私もこの伝説をやってはみたいと思いましたが、
残念ながら、未だ達成できておりません。
正しくない朝シャン?でよければ・・・経験があります。
泡を吹くほどの二日酔いでうなされる・・・なんてのはね。