続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

目撃。

2016-02-14 07:49:36 | 日常

 A君曰く、「以前の会社を辞めた理由は・・・」

「上司の不倫現場に居合わせたからなんだ」と言い、苦笑いをした。
「営業の上司と経理の女、上司の奥さん見たことあるけど、よほど美人だったのに・・・」

「ビラを撒いているとき、ラブホテルから出て来た上司の車を目撃したんだ。あの日会社に帰ったらとんでもないキツイ目つきで俺をにらんでいたよ。おれは言うつもりもなかったんだけど・・・居づらくなってさ、結局・・・」
「トップに言ってやればよかったのに」とわたし。
「でも、あいつら(上司と経理の女)、その後、使い込みが発覚してさ」
「で、首になったの?」
「いや、配置換えで済んだみたいだ・・・」

「じゃぁ、なに、目撃損だったわけ?」
「まあね、あの会社の下じゃ、いくらも稼げなかったし。丁度良かったんだ。おれは仕事運が付いてないよ」と、こぼした。

 
「今の警備の仕事もさ、この前は現場が海老名だったんで、夜中の三時に起きて四時半にJRの駅まで歩いて横須賀線・東海道線・小田急・・・乗り継いで大変だったよ。帰りは夜中だもの。しかも交通費は2万5千円までで、6万円近く掛かった月もあったんだぜ」

 聞いているだけでも辛いA君の仕事内容。転居してきたころは二十代だった彼も今は五十才に近いはず、母親の看病もあって未だ独身。
「親父は膵臓癌だったけど、俺も危ないよ」と小さく独り言。

「頑張るしかないね、お互いに、身体だけは気をつけなくてはね」と、わたし。
「今日は休みだけど、町内の班長だから一軒づつの配布と聞きとり…。この次班長が回ってきたら、もう脱退するしかないな」と苦笑い。

 辛いね・・・。


マグリット『ガラスの鍵』

2016-02-14 07:04:02 | 美術ノート

『ガラスの鍵』
 山の上に置かれた岩(巨岩石)、霊峰である。
 山の形成はプレートの移動、褶曲・断層運動・隆起・造山運動・火山活動などによる、つまり地面から盛り上がることで山の形を成すものである。
 しかし、この山の稜線に乗った岩は、その範疇に入らず、上(天)から降ってきた態である。

 有り得ない現象というよりほかない山の上の岩は《天からの降臨》であり、人力をもって山上に挙げたわけではない。

 神々しい景色である。奇跡的な支点は極めて正確に厳密に測られたものでなければならない。一本の指が人体を支え持つような奇跡的な調和…想定外のバランスをもって置かれた霊峰の巨岩石は、神の領域である。

 解けない謎の驚異…。

 ガラスで出来た鍵などというものは聞いたことがない。鍵をもって開かれる秘密は、より堅固な物質で造られていて、破損率の高いガラスなどは使用されない。
 しかし、ここで敢えてガラスの鍵というとき、開かれる秘密は、より柔らかい無色透明な見えない未知の領域にあるに違いない。鍵も秘密も見えない空想の域。

 つまりは《神秘》
 心の中の最高峰に位置するマグリットの尊く美しい完全なる調和を持った《神》であり、崇め奉る《神としての現象》を描いたのである。


(写真家国立新美術館『マグリット』展・図録より)


『銀河鉄道の夜』227。

2016-02-14 06:35:04 | 宮沢賢治

ところが、つかまへられる鳥よりは、つかまへられないで無事に天の川の砂の上に降りるものの方が多かったのです。


☆懲(過ちを繰り返さないようにこらしめる)謀(はかりごと)は、字を展(かえりみること)で千(たくさん)の赦(罪や過ちを許す)。
  照(あまねく光があたる=平等)の考えは法(仏の教え)を汰(選び分ける)。


『城』2232。

2016-02-14 06:23:37 | カフカ覚書

クラムともあろう人が、みんながいっしょにいるような部屋でほかの役人たちのあいだにまじって、鉛筆を耳のうしろにはさんだりして、押しあいへしあいしていなくてはならないものでしょうか。とても考えられないことですわ。


☆クラム(氏族)は、先祖の部屋で、針穴のような背後の突破口で圧迫されなくてはならないものでしょうか。とても信じがたいことです。