続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『真理の探究』

2016-04-04 06:30:45 | 美術ノート

 『真理の探究』
 なぜ魚の直立なのか・・・。
 
 魚は海中(水中)の生物であれば、空気の相では生命を保つことが出来ない。しかし描かれた魚の眼は黒く、生きていることを暗示している。何より直立という活力(エネルギー)を有しているように見える。
 直立した魚は硬直し、質を変換されたようにも見える。

《死すべきものが生きているように見える》という不条理である。

 石積み(人智)の壁の内側にいるということは、人知の試行であり、仮想(イメージ)の試みである。開口部からは海と空、水平線(ありのままの自然)が覗いている。

 《自然の律》と《自然への反逆》が同列に在るという不条理。
 物理的状況と精神的幻想の並列である。


 真理は物理的法則の中にのみあるのではないという静かなる反撃、迷える精神の混沌の中に在る不条理な幻想は、自然の理に拮抗して確かに存在し、それもまた《真理である》という問いかけである。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


『銀河鉄道の夜』273。

2016-04-04 06:20:50 | 宮沢賢治

青年は何とも云へず悲しさうな顔をして、じっとその子の、ちぢれてぬれた顔を見ました。女の子は、いきなり両手を顔にあててしくしく泣いてしまひました。


☆照(あまねく光が当たる=平等)の念(思い)の果(結末)を運(めぐらせている)。
 秘(奥深くて計り知れない)信仰の詞(ことば)の禱〈祈り〉を叙べる。
 死んだ霊の趣(考え)は、信仰を究める。


『城』2278。

2016-04-04 06:03:25 | カフカ覚書

あなたは、dを書くほうのソルディーニと勘違いなさっているのじゃないかしら」
「そうです。あれは、ソルディーニだった」
「ソルディーニは、よく知られています。いちばん仕事熱心なお役人のひとりで、たいへん評判になっていますわ。これに反して、ソルディーニのほうは、ひどく出ぎらいで、たいていの人びとは知りません」


☆ソルディーニはよく知られています。先祖に配慮した役人で、大変話題になっています。
 それに反してソルティーニは、ひどく隠遁していて、大抵の場合は馴染みがありません。