何となく手を動かしている。
時間(心の隙間だろうか)を埋めるために、不要になるかもしれないものをひたすら作っている愚。
『真理の探究』
なぜ魚の直立なのか・・・。
魚は海中(水中)の生物であれば、空気の相では生命を保つことが出来ない。しかし描かれた魚の眼は黒く、生きていることを暗示している。何より直立という活力(エネルギー)を有しているように見える。
直立した魚は硬直し、質を変換されたようにも見える。
《死すべきものが生きているように見える》という不条理である。
石積み(人智)の壁の内側にいるということは、人知の試行であり、仮想(イメージ)の試みである。開口部からは海と空、水平線(ありのままの自然)が覗いている。
《自然の律》と《自然への反逆》が同列に在るという不条理。
物理的状況と精神的幻想の並列である。
真理は物理的法則の中にのみあるのではないという静かなる反撃、迷える精神の混沌の中に在る不条理な幻想は、自然の理に拮抗して確かに存在し、それもまた《真理である》という問いかけである。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
青年は何とも云へず悲しさうな顔をして、じっとその子の、ちぢれてぬれた顔を見ました。女の子は、いきなり両手を顔にあててしくしく泣いてしまひました。
☆照(あまねく光が当たる=平等)の念(思い)の果(結末)を運(めぐらせている)。
秘(奥深くて計り知れない)信仰の詞(ことば)の禱〈祈り〉を叙べる。
死んだ霊の趣(考え)は、信仰を究める。
あなたは、dを書くほうのソルディーニと勘違いなさっているのじゃないかしら」
「そうです。あれは、ソルディーニだった」
「ソルディーニは、よく知られています。いちばん仕事熱心なお役人のひとりで、たいへん評判になっていますわ。これに反して、ソルディーニのほうは、ひどく出ぎらいで、たいていの人びとは知りません」
☆ソルディーニはよく知られています。先祖に配慮した役人で、大変話題になっています。
それに反してソルティーニは、ひどく隠遁していて、大抵の場合は馴染みがありません。