(お日さまは
そらの遠くで白い火を
どしどしお焚きなさいます)
笹の雪が
燃え落ちる 燃え落ちる
☆秘(人に見せないように隠す)に演(述べ)迫る化(教え導くこと)がある。
粉のような細少(ちいさい)説である。
念(考え)を絡(つなぐ)、
念(思い)を絡(つなげていく)。
『人間の条件』
人間の条件・・・「考える葦である」と言ったが、世界観、物の見方が他の動物とは違っているということだろうか。
他の動物は生きるために見るのであり、すべては主観に因るものと思われる。美しい景色に心酔したりするとは考えにくい。
このキャンバスに描かれた景色は《主観》であり、繋がるように見える窓外の景色は自然であり客観的真実である。
果たしてそれは完全なる一致を見るだろうか。限りなく高い確率でそれは合致しない、というのが推論というよりは当然の理だと思う。
マグリットの問いは主観と客観が一致するか否かである。
強引な手法(例えば描写の疑似)を以てすれば、答えを見出せるはずで、そういう手法を持つことが人間は可能である。
しかし、それは《真実》であるか。懐疑の余地は十分残る。
『人間の条件』とは、イメージにおける自由と客観的事実はあたかも重なるように見える。主観と客観との溝への認識、あるいは懐疑こそが人間の条件であると結論付けているのではないか。
(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)
汽車の時間をたづねてみよう
こゝはぐちやぐちやした青い湿地で
もうせんごけも生えてゐる
☆鬼(死者/亡霊)の赦(罪や過ちを許す)慈(いつくしみ)が現れる。
照(あまねく光が当たる=平等)は悉(すべて)を治め償(あがなう)。
「どうやら、なにもかも片づいたようだね」と、Kはつづけた。「ぼくたちは、お別れができるわけだな。きみはご主人のイェレミーアスのところへ行ってやるんだな。
☆すべてせいりがついたようだね、とKはつづけた。わたしたちは別れるが、きみは大勢の嘆きのところへ行ってやるんだな。