続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『1-2-5』10×口Ⅳ②

2019-10-01 07:02:26 | 美術ノート

 この作品を正面から見る限りにおいて、有(口から出入りするもの)と無(空白/空気)は《等価関係》にあるように見える。そういうリズムを感じる。

 口から出入りする振動は生命(存在)の要であり、証明である。空間のなかの人間(生物)は、人間(生物)のなかの空間に等しい。
 世界のなかのさざ波のような振動、揺れは生きて在ることの歌のように潜在している。精神的にも物理的にもその等価関係は保たれているのではないか。

《10×口》というのが整数の掛け算であれば決してゼロにはならず、無数、無限の数値を暗示しているが、口が単なる四角で、0あるいは負数が入る可能性を考えると、すこし恐い気がする。
 口を見せて、口ではなく四角という伏線かもしれない。

 個の集合が世界の空気を振動させている、生命と空間との神秘な関係性である。


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館


『忘れえぬ人々』4.

2019-10-01 06:46:33 | 宮沢賢治

草鞋の足痕に溜った泥水にすら寒むそうな漣が立っている。日が暮れると間もなくたいがいの店は戸を閉めて了った。


☆総て解(部分部分に分ける)即ち、魂の流(彷徨)に泥(かかずらうこと)を推しはかる。
 換(入れ替えて)連(つなげる)律(きまり)である。
 仮の模(手探り)で感じる他意がある。
 我意は転(ひっくり返る)図りごとで蔽(見えないように隠す)霊(死者の魂)がある。


『城』3273。

2019-10-01 06:29:53 | カフカ覚書

Kにこの仮定をさらに確信させたのは、ときおり(それは、きまってKが見ていないときなのだが)もうたっぷりとみせびらかしたこの書類が突然、しかも、すばやく部屋のなかに引入れられそれっきりドアはもとのように微動だにしなくなってしまうことであった。


☆彼にこの推測を強めさせたのは、その後ずっと長くを見ていないときだった。さっと見渡すふりをして、突然大急ぎでテーマ(問題)を引き寄せ、計画を再び不動により早くそのままに留めることだった。