続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮 1-4-4〔無題〕

2019-10-29 07:07:13 | 美術ノート

   1-4-4〔無題〕

 無題…名付け難いもの。
 青(ブルー)一色、これは何を暗示しているのだろう。空、海あるいは地球全体(地球は青かったという言葉から)を示唆しているのだろうか。
 地表より浮いているエリアには何かが収められていた、あるいはこれから納めるべき空白(掘削)があり、それは明確に何かを想起させるものであるに違いない。予感と換言してもいいかもしれない。ここに収められるべきものが設置された場合、この盤(地平)は均衡を欠く。事件は起こった後か前かをこの作品は告げていない。

 わきにスイッチらしき差し込みがある。どこにつながるものかは不明であり、どのような作用に至るものかも判別不能である。この差し込み(スイッチ)が世界を変換させる鍵である。

 まだ起動されず、まだ然るべき装置は完成していない。
 未来への予感…しかし、この差し込みだけは少々彩色に濁りがあるということは、すでに使用された痕跡を持つ差し込みである。

 現在の静寂、過去の汚点、未来への不安。この動揺ある衝撃の予感。現代いだく心的光景、心象風景の集約である。


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館


『忘れえぬ人々』22.

2019-10-29 06:48:02 | 国木田独歩

「お婆さん、吉蔵が眠むそうにしているじゃあないか、早く被中炉を入れてやってお寝かしな、可愛そうに」


☆場は既知(すでに知っている所/冥府)に造(至る)民(人たち)が、総てである。
 秘(人に見せないように隠す)を注(書き記す)路(筋道)也。
 辛い禍(不幸・災難)に衷(心を痛めている)


『城』3291。

2019-10-29 06:18:53 | カフカ覚書

周囲の人たちは、みなこの事件に大きな関心をいだいている。いたるところでひそひそ話がかわされ、静かなドアは、ほとんどひとつもない。おかしなことに布でほとんどすっぽりと覆面をした顔が、壁の上の切れ目からなりゆきを一部始終見まもっている。おまけに、これらに顔は、ひとときとしておなじ場所にじっとしていないのである。


☆周りはこの事件に非常に大きな関心をいだいていた。至る所で先祖の計画は静かにささやかれ、奇妙な方法の束縛で迫害されていたが、ほとんど完璧に見せかけだけの顔に追われていたにもかかわらず、すべての先例であるこの小舟は長く静かにその場所に留まっていた。。