今朝10時からある合繊メーカー(そのニ)の株主総会が
JR大阪駅前にあるヒルトン大阪で開かれたので
出かけた。
信じられないことであるが、一般的には、株主総会で、
株主に配布された営業報告書を議長(社長)が一字一句
延々と棒読みする企業がいまだに多い。
しかし、当社は3年前からスクリーンに要点をまとめ、
プロの女性アナウンサーが軽快に紹介するから時間もとらず
聞いていて分かり易い。
当社の業績はすこぶる好調であることがよくわかる。
独自技術を軸に、これからも環境に優しい、エコフレンドリー企業としての
道を邁進すると議長(社長)は力強く株主の前で宣言した。
当社は日本最初の合繊繊維ビニロンを開発した
由緒ある企業である。
人工皮革「クラリーノ」はランドセルでもおなじみの素材である。
戦禍を受けたアフガニスタン寒村の子供たちにNPOの助けも
借りて中古のランドセルを1万個寄付した時の様子を総会前の
スクリーンでも紹介していた。
当社もご他聞にもれず、繊維だけでは飯が食えない。
しかし、地道に多角化路線を進め、ここへきてようやく具体的成果が
出てきたようで将来楽しみな企業かもしれない。
それでも、いまだに不採算のポリエステル短繊維事業を抱えている。
長繊維を含めてポリエステル事業全体をこれからどうするのか。
当社経営トップの課題のひとつであろう。
質問の時間に、総会出席者と経営トップとのまじめ
なやり取りが2~3続いた。
真っ先に、社長さんは原油が高騰しているのに、
目標が高過ぎるのではないか。詳しく説明して欲しいと来た。
担当役員から、特別な手は打てないと前置きして、
いまの原油高騰はスポット相場であり、原油コストとそのまま
連動はしていない。しかし原油高騰の影響はじわじわ
来ていると素直に認めた。
原油ナフサのコスト上昇分を昨年は
50%転嫁出来た。今年は80%転嫁したい。
もし売値にコストアップ分を転嫁出来ないと問題を
残すといまひとつスッキリしなかった。
米企業の業績が原油高で落ちたら円高になる。
仮に1ドルが100円になるとどうなるかと経営トップに
株主から2の矢が飛んだ。
米国では天然ガスも値上りしている。そうなれば電気代など
ユーティリティにも響くと社長さんがまず答え、担当役員にバトンを渡した。
担当役員は、円高になれば原燃料コストは安くなる。一方
輸出採算が悪化する。当社は売上の40%は輸出。影響は
避けられない。ただ、1ドル=105円で収まれば400億利益を
目指すと強気の姿勢を崩さなかった。
為替次第では、影響は避けられない。しかし、原油が高止まりしても
相場はいずれ落ちつく。
為替が円高で安定さえしておれば、独自技術を生かしていけば、
危機をなんとか凌ぎ切れるとの当社の自負とも取れたが
買かぶりかもしれない。
総会のあと恒例により同じホテルの別室で
経営トップと株主との懇談会が開かれた。
懇談会は全てではない。株主とのコミュニケーションにも
コストはかかる。
しかし、日頃はものが言えぬ株主との間でも、心の通った
対話の機会を用意し続けようとする当社の姿勢は必ず
報われることになるだろう。(了)
Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3 C0071 1905E
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)
JR大阪駅前にあるヒルトン大阪で開かれたので
出かけた。
信じられないことであるが、一般的には、株主総会で、
株主に配布された営業報告書を議長(社長)が一字一句
延々と棒読みする企業がいまだに多い。
しかし、当社は3年前からスクリーンに要点をまとめ、
プロの女性アナウンサーが軽快に紹介するから時間もとらず
聞いていて分かり易い。
当社の業績はすこぶる好調であることがよくわかる。
独自技術を軸に、これからも環境に優しい、エコフレンドリー企業としての
道を邁進すると議長(社長)は力強く株主の前で宣言した。
当社は日本最初の合繊繊維ビニロンを開発した
由緒ある企業である。
人工皮革「クラリーノ」はランドセルでもおなじみの素材である。
戦禍を受けたアフガニスタン寒村の子供たちにNPOの助けも
借りて中古のランドセルを1万個寄付した時の様子を総会前の
スクリーンでも紹介していた。
当社もご他聞にもれず、繊維だけでは飯が食えない。
しかし、地道に多角化路線を進め、ここへきてようやく具体的成果が
出てきたようで将来楽しみな企業かもしれない。
それでも、いまだに不採算のポリエステル短繊維事業を抱えている。
長繊維を含めてポリエステル事業全体をこれからどうするのか。
当社経営トップの課題のひとつであろう。
質問の時間に、総会出席者と経営トップとのまじめ
なやり取りが2~3続いた。
真っ先に、社長さんは原油が高騰しているのに、
目標が高過ぎるのではないか。詳しく説明して欲しいと来た。
担当役員から、特別な手は打てないと前置きして、
いまの原油高騰はスポット相場であり、原油コストとそのまま
連動はしていない。しかし原油高騰の影響はじわじわ
来ていると素直に認めた。
原油ナフサのコスト上昇分を昨年は
50%転嫁出来た。今年は80%転嫁したい。
もし売値にコストアップ分を転嫁出来ないと問題を
残すといまひとつスッキリしなかった。
米企業の業績が原油高で落ちたら円高になる。
仮に1ドルが100円になるとどうなるかと経営トップに
株主から2の矢が飛んだ。
米国では天然ガスも値上りしている。そうなれば電気代など
ユーティリティにも響くと社長さんがまず答え、担当役員にバトンを渡した。
担当役員は、円高になれば原燃料コストは安くなる。一方
輸出採算が悪化する。当社は売上の40%は輸出。影響は
避けられない。ただ、1ドル=105円で収まれば400億利益を
目指すと強気の姿勢を崩さなかった。
為替次第では、影響は避けられない。しかし、原油が高止まりしても
相場はいずれ落ちつく。
為替が円高で安定さえしておれば、独自技術を生かしていけば、
危機をなんとか凌ぎ切れるとの当社の自負とも取れたが
買かぶりかもしれない。
総会のあと恒例により同じホテルの別室で
経営トップと株主との懇談会が開かれた。
懇談会は全てではない。株主とのコミュニケーションにも
コストはかかる。
しかし、日頃はものが言えぬ株主との間でも、心の通った
対話の機会を用意し続けようとする当社の姿勢は必ず
報われることになるだろう。(了)
Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3 C0071 1905E
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)