ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

67年前に神戸に大水害(スケッチ&コメント)

2005-06-30 22:23:20 | スケッチ
 喫茶「いけだ」のお馴染みの客人のひとりが、店に
入ってくるなり、昭和13年7月はじめに起こった
神戸大水害の体験談を突然、話しはじめた。

 聞くともなしに聞いていると、小学校4年生の時だというから
10歳か11歳であろう。67年前の話だから歳がわかる。

 住吉川がアッという間に氾濫し瞬く間に自宅は冠水したという。
住吉界隈でも多数の行方不明者が出たそうだ。

 阪急電車の御影駅は現在、住吉川から数百メートル
西に位置しているが、水害まえは住吉川をまたいで川の上に
建てられていた。いまの芦屋川駅や夙川駅と同じスタイルであろう。

 元駅のあった付近には戦後かなりの期間、水害時、
山から転がり流れた巨岩がそのまま放置されていたのが
見られたものだ。

 谷崎潤一郎は、名作『細雪』に、水害当時の
芦屋、住吉の悲惨な状況を実に生々しく描写している。

 筆者はその水害を神戸の三宮で生後5日目に
経験したことを大きくなってから聞いた。

 産後の肥立ちの悪かった母を助けて、85歳でいまなお健在の
母の従妹が布引の滝近くまでオムツの洗濯に出かけたそうだ。

 その母の従妹の父上が加古川の別府というところから
伝馬船に飲料水を積み込み水が手にはいらない
神戸三宮まで運んでくれたという話も聞いた。

 また、祖母の話では三宮の表通りを歩いていた多くのひとが
暗渠(あんきょ)にスポイドに吸い取られるように消えていったと
いうから水流の多さ早さそして水害の恐ろしさに驚かされる。

 筆者の従姉の連れ合いの話では、そのとき、小学2年生で、
長田小学校の横を走るバス道を濁流が襲ってきたので、
自宅の2階に避難したそうだ。

 いろいろ話を総合すると、神戸大水害時、
東は芦屋、西は長田界隈まで広範囲に
濁流が襲ったことになる。

 いまは緑鮮やかな六甲は当時は禿山だった。

 大水害の教訓を生かして砂防ダムが築かれそのごの
大雨でも、幸いなるかな、大きな被害は起こっていない。

 暦では夏至が過ぎたが、梅雨最中なのに雨が降らない。

 神戸は風が流れているから好きだと日本画家、森田りえ子さんは
いつもおっしゃる。神戸に長年住んでいるとそれを実感する。

 その神戸が梅雨最中の連日の熱帯夜だからまさに異常気象以外
なにものでもない。

 67年前の神戸大水害を知るひとがどんどんいなくなり
淋しい限りである。

 しかし、災害は忘れたころにやってくるという言葉もある。

 喫茶『いけだ』での今朝の何気ない一言が
いろいろなことを教えてくれているのかもしれない。(了)



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)

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FOMC控えて、NY株様子見:米国経済-学校で教えてくれない経済学

2005-06-30 08:57:12 | 経済学
 6月29,30開催のFOMC(公開市場委員会)会合を控えての
様子見からNY株式市場は31ポイント値下がりした。

 NY原油WTI相場は米原油在庫増加を嫌気してバレル84セント
値下がり、57.26ドルとここ2日間で4%以上下落した。

 為替市場は、FOMCの0.25%利上げは折り込み済みであるが
1ドル=110.54円、1ユーロ=1.2064ドルと様子見で推移した。

 米債券市場は、10年物、30年物ともに国債が値下がりした
(利回り上昇)。10年物利回りは3.986%と4%割れが続いている。

 米国経済の不安定要因には原油高騰、貿易赤字と財政赤字、
それに加えて住宅バブルをあげるエコノミストは多い。

 なかでも米住宅ローン金利は10年物国債利回りに連動している
ことから、長期金利が低位で安定していることが、住宅バブルを
蔭で支えているとする見方である。

 米商務省は、2005年第1四半期のGDP確報を3.8%増と
発表した。

 企業業績の緩やかな回復、輸出増、住宅需要の増加が
寄与した。

 当初米政府はGDP伸び率を当初3.1%増と発表していた。
それをまず3.5%増へ上方修正した。それを今回、さらに
3.8%増へ拡大した。

 住宅投資の伸び率が、予測の8.8%増が今回11.5%増へ
上方修正された。

 設備投資の伸び率も当初の推定値3.5%増が4.1%増へ
上方修正された。

 企業業績も1%増の予測が1.2%増へ上方修正された。
昨年第4四半期と比較して税引き後ベースで8.3%増加した。

 輸出も当初予測の7.2%増が8.9%増へ上方修正された。

 個人消費支出は予測どおりの3.6%増加した。

 FOMCは今回0.25%利上げを決定し、そのあと年内にさらに
0.25%利上げして3.5%とし利上げ打ち止めするとの見方が
一般的である。

 原油相場高騰にもかかわらず今回発表の第1四半期GDPは
米国経済は堅調に推移していたことを裏付けた。

 FOMC控えて、NY株様子見。

 FOMCが短期目標金利の0.25%利上げすることは
折り込み済みである。
 
 しかし、同時に発表される声明文をしかと見極めてから
動いても遅くはないと投資家は考えているのであろう。

 FOMCが終われば雇用統計、第2四半期の企業業績
発表も控えている。

 ここはコーヒー・ブレイクと一息いれてもおかしくない。(了)

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ある合繊メーカー(その三)株主総会(スケッチ&コメント)

2005-06-30 04:50:24 | スケッチ
 ある合繊メーカー(その三)の自社の会議室ホールで
開かれた株主総会に出かけた。

 型どおり議事がはじまり、当期営業報告をスクリーンで
放映したあと、質疑応答の時間に入った。

 当社の業績が前期比大幅に改善したことを持ち上げた
あと、①株価(現在500円低位)が低い、②配当(今期増配して年8円)
が少ないとクレームをつけた。

 議長(会長)に指名された当社持ち株会社社長自ら回答した。

①株価収益率から見て1株700円前後が妥当であると思っている、
②配当については、企業価値を高める意味から、配当も大切であるが、
大型案件投資や自社株消却含めて総合的に考えて対応したい、
③今期は2円増配した。来期はさらに2円増配したいと回答した。

 増配にここまで踏み込んで発言するとは正直想像もしていなかった。
当社の株主総会にははじめた参加したが、増配問題が企業に
とって最近、重大な関心事になっている事態を改めて実感した。

 中国に進出している当社関連の3社に関して、
先日起こった反日デモに対する当社の考え方と
現状について株主から質問があった。

 担当役員から以下のような回答があった。

①売上利益率が、20%、5%、30%と高収益を
それぞれ上げている、②強い企業をより強い企業にする
ために中国進出したことを強調した。

①投資と技術保全の為には、配当の早期回収を心がけている。
いまのところ配当送金は自由であり、リスクはないと考えている、
②技術は台湾の子会社と一部日本から持っていったもので
技術が漏れることはないと回答した。

従業員やその家族の身の安全については、事業運営上
影響は出ておらず、家族も安全であり、問題になることは
ないと回答していた。

 先日日本の大手自動車メーカーが反日デモの翌日
モーターショーを予定通り開催したが、朝デモに参加していた
同じ人間が夜、件の日本の自動車のモーターショーに
顔を見せ、日本車をどうしても買いたいと熱烈歓迎していたが
それが二つの違う顔を平気で使い分ける中国人の実像
かもしれない。

 当社の医薬品事業の展開について、最近の日本の
医薬品メーカーの大型提携合併に関連して質問があった。

 担当役員から以下のような回答があった。

①研究開発費が巨額に上っていること、臨床症例を厳しく
チエックされるためメーカーの負担が益々大きくなっている、
②当社のような小規模メーカーはM&Aも視野に入れながら
骨粗症、排尿障害治療薬、抗うつ薬など営業力のある
薬に集中していくと説明していた。

 医薬品事業が日本で生き残れるのは1社か2社、せいぜい
3社であろうといわれている。

 世界最大のファイザー社でさえ大型リストラをはじめたと
先日米経済誌BusinessWeekでも紹介していた。

 世界の薬の40%は日本人が使うという、信じられない
薬大好きな日本人である。行き過ぎはいずれとがめが出るだろう。
膨大な赤字が巨額な医療費負担にあることにスポットが
当てられてきている。

 医薬品事業が必ずしも金のなる木であるかどうか
見極めておいて欲しいと、株主が当社の経営トップに
チエックを入れていたのかもしれないなと思いながら
質問を聞いていた。

 当社はレーヨンメーカーとしてスタートした。
しかし、現在は全売上1兆3、000億円のうち繊維事業は
1,000億円に過ぎない。

 当期もケミカルで大きく稼ぎ、住宅事業でも確実に収益を
伸ばしている。エレクトロニクス事業も拡大しており、利益では
繊維を抜いた。

 株式市場ではベンベルグといえば当社のことである。

 昔の名前で出ていますという流行歌があったが、
当社がレーヨン事業の踏ん張りで会社の危機を
たびたび救った事実を知る人もほとんどいなくなった。

 100年の計を建てることも大切であるが、100年という
越し方を振りかえり、100年の行く末を考えて欲しい。(了)



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)


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