ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

米国も中国もしたたかな計算の上で大芝居を打ぅている(学校で教えてくれない経済学)

2010-02-17 22:13:33 | 経済学
近着の二ュ-ズウイーク日本版は、「ユーロ危機」と雑誌の表紙に大きく印刷して読者の関心を引こうとしていた。ただ、「わが米経済はやっぱり強いぞ」(ダニエル・グロス、ビジネス担当)と「韓国を世界に売り込む男」(李炳宋、ソウル支局)の記事の方が面白かった。

グロス記者は、①2月9日にトヨタがブレーキの不具合の問題で新型プリウスなどのリコールを日本とアメリカで届け出たと発表した、②巨額の財政赤字と機能不全に陥って政治システムに四苦八苦するギリシャが、ヨーロッパ通貨統合の根幹を揺るがしかねないことから、アメリカの凋落にも歯止めがかかるかもしれないと期待感をにじませて書いていた。

「韓国を世界に売り込む男」とは、李明博(イ・ミョンバク)大統領である。李炳宋記者は、①97年のアジア通貨危機の経験を生かして世界の金融危機を乗り切った、②輸出企業の育成に成功した、③得意の英語を駆使して韓国PRもお手の物で、G20サミットの11月ソウル開催をものにして、一時急落した支持率を50%強に戻したと書いていた。

グロス記者は、①ヨーロッパに比べれば早い段階で対策を講じた米経済は09年第4四半期年率換算で5.7%成長を記録した、②同期間の米労働生産性は前期比年率換算で6.2%伸びた。実は、自分は、アメリカは競争力でヨーロッパに劣ると考えて来たと白状していた。

ところが、ヨーロッパは、アイルランドの破たんのあとギリシャと来て、スペイン、ポルトガルへ波及すると見られている。その証拠に、ユーロに対するドルの価値が最近、大きく反発している。ギリシャ危機から欧州通貨同盟の威信まで揺らいでいると書いていた。

李明博大統領については、韓国企業連合は、09年12月、日米企業連合とフランス企業連合を抑えて、UAE(アラブ首長国連邦)と韓国史上最大規模の400億ドル規模の原子力発電所建設を勝ち取った。李がUAEのナハヤン大統領に6回も電話をかけ、大詰で同国を訪問したことが功を奏したことは間違いないとまで書いていた。

同誌は別ページで、①ダライラマがオバマ米大統領と会うことが決まった、②湖錦濤率いる中国政府は、チベットの発展に本気で力を貸そうとしている、③あと3年で任期切れになる胡主席がダライラマと握手すれば、ノ―ベル平和賞だけでなく、世界からの尊敬と信頼を得られるだろう、とスティプ・マズブダル記者(ニューデリ―支局)は書いていた。

日本では普天間問題がまるで世界を揺るがす日米間の問題であるかのように報道するマスメディアが多い。米国が台湾に武器を輸出した。中身を十分承知の上だろうが、今すぐにも米中がケンカ別れするかの様な記事を朝刊一面トップで取り上げる新聞もあった。中国もアメリカもしたたかな計算の上で大芝居を打っている事を忘れないでほしい。(了)

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ギリシャ問題から目を離してNYダウ169ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2010-02-17 12:08:04 | 経済学
16日のNY株式市場は、ベルギー、ブリッセルで開かれたEU(欧州連合)での財務相談会議で、ギリシャの赤字削減状況を監視するとの声明を確認したあと前日比169ドル1.7%高、10,268ドルで取引を終了したと今朝のWSJ紙は報じた。

投資家の関心がギリシャから離れ、よりリスクを取る流れにシフトした。先週までの投資家は、ギリシャ問題を余りにも悲観的に見過ぎた。今、株を売っておかないと一人取り残されると見る投資家が多かった。それが今朝は、EUはギリシャを放置できないとの見方がこの日は出ていたとWSJ紙は今朝のNY株高を解説していた。

2月のNY連銀の製造業指数が、エコノミスト予想の16を上回り、1月の15.92から24.91へ改善した。2月の米建設業指数が改善したことも株価を支援した。ただ、出来高は通常の50億ドルを大きく下回る42億ドル台と低調だと指摘する一部の投資家の声もWSJ紙は紹介していた。

リスク回避の動きが緩和したことからドルが対ユーロで売られ、1ユーロ=1.37ドル台へドルが値下がりした。ドルの値下がりを受けて、NY原油(WTI)先物相場は、バレル2.88ドル、3.9%高、77.01ドルへ回復した。NY金先物相場はオンス29.80ドル上げ1,119ドルで取引された。

NY原油の反発には、イランが核開発に一段と踏み込んできたことから、中東で一触即発の雰囲気が生まれている。イラン制裁案が国連で決議されたが、イランは無視するとの見方が原油相場引き上げを助けたとWSJ紙は書いていた。

ギリシャ問題も具体的に解決のめどがたったわけではない。シンガポールのLeeHsienLoong首相は、春節(旧正月)の演説で「欧州とドバイの金融危機の影響に対処する十分な準備が必要だ。欧州ではギリシャに留まらず、スペイン、ポルトガルにもギリシャ同様の圧力がかかっている」と語ったとWSJ紙は紹介していた。

シンガポールは今や世界の金融センターである。世界のお金が往来しているから全体のお金の動きが良く見えるのであろう。日本のような隠ぺい体質で凝り固まっている国で生活している政治家と基本的に違うと常々感じている。

日本では組織の中で異を唱えると間違いなく潰される。風通しのいい風土を作ろうと呼び掛けるが、口先だけで終わるケースが多い。いざ根本的な改革となると行動が伴わない。マスコミを祭り上げるのも、『殿、ご内密に』の体質が日本人の骨の髄まで浸みこんでいるからであろう。臭いものには蓋をしても大元を治療しないとニオイはなくならない。(了)

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2010年は為替の動きから目が離せない(学校で教えてくれない経済学)

2010-02-17 06:32:14 | 経済学
’Dollar Up as Europe Reels(欧州つまづきドル上げる)’のタイトルで、16日付けのWSJ紙は、このところのユーロ売り・ドル買いへのセンチメントの転換は正に様変わりであると解説していた。

日本では、自国通貨が値上がりする円高は基本的に悪であり、自国通貨の値打ちが下がる円安は善との受け止め方が主流を占めている。円安はデフレからの脱却を助け、輸出企業にプラスになるとして歓迎する空気が今もって圧倒的に強い。

WSJ紙は、2010年6月時点でのエコノミストの予測レートが、昨年10月には1ユーロ=1.47ドルだったのが同12月には1ユーロ=1.42ドルとなり、今年2月には、それが1ユーロ=1.36ドルへユーロ安、ドル高へ激変していると紹介している。

ドルが対ユーロで、値上がりした結果、ドルは対円でも、昨年安値の1ドル=84円から1ドル=90円近辺まで値上がりしている。ユーロは対円でも、1ユーロ=122円近辺まで値下がりしている。ユーロ向けの輸出の多い企業は採算が悪化する。ただ、ルイビトンは安く買うことが出来るが、日本ではマスコミはじめ円高はデフレを助けると評判はよくない。

なぜユーロの値下がりが進んだのか。ギリシャの財政赤字と予想外に強い米国景気データがドル買い・ユーロ売りを助けた。ギリシャは2001年にユーロに加盟した。加盟の際データを改ざんしていた事実が暴露され、ギリシャ国債相場が暴落(利回りは上昇)したことが、ユーロ安に拍車をかけたとWSJ紙は解説している。

水は高きから低きへ流れる。お金は利回りの低い通貨から利回りの高い通貨へ流れる。一昨年9月、リーマン破たんを契機に、世界的金融危機が襲った。世界の中央銀行揃い踏みの二ヤ―・ゼロ金利政策が効果を上げ、昨年3月を底に日本以外の国の株価は急騰、つれて安全パイとしてのドル買い戻しの流れが生まれた。

昨年末に突如、表面化したドバイ危機が、ドバイに肩入れしていた欧州銀行の信用不安説を引き金に、ドルが見直され、ユーロ売りの流れが生まれるきっかけを作った。表面的にはドバイ危機は沈静化に向かう気配だが、今やギリシャ問題がユーロの足元を襲っている。

今年に入りドルは対ユーロで5%値上がりした。年末には15%値上がりするとのPartnersCapitalの予測や人民元の2%強程度の小幅切り上げが年末までにあるとのエコノミストの見方をWSJ紙は紹介していた。

始まったばかりの2010年だが、今年は為替の動きから目が離せない年になりそうだ。(了)

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