近着の二ュ-ズウイーク日本版は、「ユーロ危機」と雑誌の表紙に大きく印刷して読者の関心を引こうとしていた。ただ、「わが米経済はやっぱり強いぞ」(ダニエル・グロス、ビジネス担当)と「韓国を世界に売り込む男」(李炳宋、ソウル支局)の記事の方が面白かった。
グロス記者は、①2月9日にトヨタがブレーキの不具合の問題で新型プリウスなどのリコールを日本とアメリカで届け出たと発表した、②巨額の財政赤字と機能不全に陥って政治システムに四苦八苦するギリシャが、ヨーロッパ通貨統合の根幹を揺るがしかねないことから、アメリカの凋落にも歯止めがかかるかもしれないと期待感をにじませて書いていた。
「韓国を世界に売り込む男」とは、李明博(イ・ミョンバク)大統領である。李炳宋記者は、①97年のアジア通貨危機の経験を生かして世界の金融危機を乗り切った、②輸出企業の育成に成功した、③得意の英語を駆使して韓国PRもお手の物で、G20サミットの11月ソウル開催をものにして、一時急落した支持率を50%強に戻したと書いていた。
グロス記者は、①ヨーロッパに比べれば早い段階で対策を講じた米経済は09年第4四半期年率換算で5.7%成長を記録した、②同期間の米労働生産性は前期比年率換算で6.2%伸びた。実は、自分は、アメリカは競争力でヨーロッパに劣ると考えて来たと白状していた。
ところが、ヨーロッパは、アイルランドの破たんのあとギリシャと来て、スペイン、ポルトガルへ波及すると見られている。その証拠に、ユーロに対するドルの価値が最近、大きく反発している。ギリシャ危機から欧州通貨同盟の威信まで揺らいでいると書いていた。
李明博大統領については、韓国企業連合は、09年12月、日米企業連合とフランス企業連合を抑えて、UAE(アラブ首長国連邦)と韓国史上最大規模の400億ドル規模の原子力発電所建設を勝ち取った。李がUAEのナハヤン大統領に6回も電話をかけ、大詰で同国を訪問したことが功を奏したことは間違いないとまで書いていた。
同誌は別ページで、①ダライラマがオバマ米大統領と会うことが決まった、②湖錦濤率いる中国政府は、チベットの発展に本気で力を貸そうとしている、③あと3年で任期切れになる胡主席がダライラマと握手すれば、ノ―ベル平和賞だけでなく、世界からの尊敬と信頼を得られるだろう、とスティプ・マズブダル記者(ニューデリ―支局)は書いていた。
日本では普天間問題がまるで世界を揺るがす日米間の問題であるかのように報道するマスメディアが多い。米国が台湾に武器を輸出した。中身を十分承知の上だろうが、今すぐにも米中がケンカ別れするかの様な記事を朝刊一面トップで取り上げる新聞もあった。中国もアメリカもしたたかな計算の上で大芝居を打っている事を忘れないでほしい。(了)
グロス記者は、①2月9日にトヨタがブレーキの不具合の問題で新型プリウスなどのリコールを日本とアメリカで届け出たと発表した、②巨額の財政赤字と機能不全に陥って政治システムに四苦八苦するギリシャが、ヨーロッパ通貨統合の根幹を揺るがしかねないことから、アメリカの凋落にも歯止めがかかるかもしれないと期待感をにじませて書いていた。
「韓国を世界に売り込む男」とは、李明博(イ・ミョンバク)大統領である。李炳宋記者は、①97年のアジア通貨危機の経験を生かして世界の金融危機を乗り切った、②輸出企業の育成に成功した、③得意の英語を駆使して韓国PRもお手の物で、G20サミットの11月ソウル開催をものにして、一時急落した支持率を50%強に戻したと書いていた。
グロス記者は、①ヨーロッパに比べれば早い段階で対策を講じた米経済は09年第4四半期年率換算で5.7%成長を記録した、②同期間の米労働生産性は前期比年率換算で6.2%伸びた。実は、自分は、アメリカは競争力でヨーロッパに劣ると考えて来たと白状していた。
ところが、ヨーロッパは、アイルランドの破たんのあとギリシャと来て、スペイン、ポルトガルへ波及すると見られている。その証拠に、ユーロに対するドルの価値が最近、大きく反発している。ギリシャ危機から欧州通貨同盟の威信まで揺らいでいると書いていた。
李明博大統領については、韓国企業連合は、09年12月、日米企業連合とフランス企業連合を抑えて、UAE(アラブ首長国連邦)と韓国史上最大規模の400億ドル規模の原子力発電所建設を勝ち取った。李がUAEのナハヤン大統領に6回も電話をかけ、大詰で同国を訪問したことが功を奏したことは間違いないとまで書いていた。
同誌は別ページで、①ダライラマがオバマ米大統領と会うことが決まった、②湖錦濤率いる中国政府は、チベットの発展に本気で力を貸そうとしている、③あと3年で任期切れになる胡主席がダライラマと握手すれば、ノ―ベル平和賞だけでなく、世界からの尊敬と信頼を得られるだろう、とスティプ・マズブダル記者(ニューデリ―支局)は書いていた。
日本では普天間問題がまるで世界を揺るがす日米間の問題であるかのように報道するマスメディアが多い。米国が台湾に武器を輸出した。中身を十分承知の上だろうが、今すぐにも米中がケンカ別れするかの様な記事を朝刊一面トップで取り上げる新聞もあった。中国もアメリカもしたたかな計算の上で大芝居を打っている事を忘れないでほしい。(了)