米小売り高減で米利上げ先延ばし観測、新規失業保険申請件数鵜減でNYダウ259ドル高、

原油続落バレル47.05ドル（学校で教えてくれない経済学）


原油価格下落局面で原油依存度を減らすことは『頭に銃を突きつける行為』のようなものだ。追い詰められた状況で決断しなければならない場合は『間違った決定をする可能性が高い。』とオマーン石油・ガス省サリム・アウフィ次官が首都マスカットで開かれた原油下落の影響に関する公開討論会で語った。オマーンだけではない。大半のペルシャ湾岸のアラブ諸国は各都市で高層ビルや人工島建設など大規模プロジェクトに過去10年多額の資金を投入してきた。しかし、原油の代わりになる収入源をほとんど生み出してこなかった。アラブ諸国の政権崩壊に繋がった2011年の政情不安は避けたいと考えているが急速に増加する人口に配分する収入は減る。1バレル＝60ドルの価格では高水準の公共支出を通じて経済成長を促す古いモデルは持続不可能だとHSBC中東担当、チーフエコノミスト、サイモンウイリアム氏は話したと12日付ブルームバーグ電子版でMuscatVivianNereimu記者が書いた。

『シエールオイル生産会社が身売り決断、業界再編の始まりか』のタイトルで12日付ブルームバーグにBradleyWarren記者は「米ノースダコダ州パッケンシエール層で操業する石油生産会社で最大のホワイティング・ペトローリアムの身売り決断は、米石油業界再編のうねりの始まりのように見える。原油価格が1バレル＝50ドル近辺に下落したことにより多額の債務を抱えた高コスト企業の淘汰が進む可能性がある。』とエネルギー業界専門の元バンカーで現在ライス大学で教鞭をとるアーノルド氏は話した」と書いていた。13日付のブルームバーグサンパウロ発電で、DenyseGodoy記者は「ブラジル株価指数ボベスパが過去7営業日で6日目の下げとなった。原油安でブラジルペトロプラスの株価が12日3.3％急落、当社のオフショア投資見通しが悪化した。ただ、同社は、オフショア投資は、1バレル＝45ドルの水準で生産可能だと話した」と書いた。12日、NY原油先物市場では9週連続の在庫増加でWTI相場が続落、6週間来の安値1バレル＝47.05ドルで取引を終了した。

一方、12日のNY金相場はオンス1,152.10ドルで取引を終了した。12日付ブルームバーグでDebaratiRoy記者は「過去2年で最も適格な金相場予測を示したブラジルのイタウ・ウ二バンコ、アルトゥール・バンス氏は『米景気が回復する中、米FRBの利上げが迫っている。ECBドラギ総裁発言や中国の女性消費者の需要については忘れたらいい。米FRB発言こそが注視する最も重要な指標だ。この先金相場は3年連続で下落する。』と話した」と書いていた。12日NY株式市場は米小売り高が予想外減少で米FRBがしばらくゼロ金利政策を続けるとの見通しが強まりNYダウは前日比259ドル高、17,895ドルで取引を終えた。13日朝放送のモーニングサテライトで池谷亨キャスターは米小売減のバッドニュースがグッドニュースに、米新規失業保険申請件数は3万6,000件減ったグッドニュースは米景気にグッドニュースとして株価は反発したとコメントした。13日朝放送のNHKBS「ワールドニュース」でドイツZDF,フランスF2は原油安とユーロ安は共に欧州経済にプラスと解説していた。米小売り減速情報で利上げ時期が先送りされるとの観測が流れ、NY外為市場ではユーロ買い戻しから1ドル＝121.35円、1ユーロ＝128.83円で取引された。（了）