慣れるというのは、いい面もあるのですが、都合の悪いこともあります。
たとえば、「虹彩」という言葉を知っている人は多いのですが、「スクレラ」と言うと、「なに?」と聞き返される場合があります。
これは、何年も同じ言葉を使っているとそうなってしまうもので、方言でも同じようなことが起ります。
おもしろいと思ったのは、広島の「みてた」という言葉です。
「みてた」と聞くと、「見てた!」とか「満てた!」と思いがちですが、実は「なくなった」ということなのです。
知ってましたー?
東洋医学の単語にも、そのように勘違いする言葉がいろいろあります。
たとえば、東洋医学で「気」と言えば、現代風に言うと「エネルギー」に置き換えて考えることができますが、「気の問題ですね」と言うと、「気(心)のせい」と捉えられることもあります。
そこは、東洋医学を学んでいる人が気を付けなければならないところで、専門用語を使うときは「注釈」をつけて説明する必要があります。
と言いながら、僕も平気で「スクレラ」という言葉を使ってしまう場合があります。
このブログを読まれている方はご存知かも知れませんが、スクレラとは「白目(強膜)」のことです。
さらに「スクレラ分析」と言われると、「どのように分析するの?」と質問が返ってきそうですので、少しだけ説明させていただきます。
眼科で行う診断とは別に、目からの診断には、「虹彩分析」と「強膜分析」があります。
虹彩分析はその人の食歴や病歴、及び体質を診ることができ、長期的な治療計画が立てられますが、スクレラはだいたい2~3か月前までの体の状態を知ることができる場合が多く、新生物(腫瘍や筋腫)の早期発見に役立てることができると考えております。
東洋医学の診断である四診(望・聞・問・切)で診断できないところまで診断することができることが利点だと考えていますが、その方の目を撮影した写真を使いますので「客観的診断」になりますし、写真をデータで保存することもできますので、患者さんの「体の歴史」を残すこともできます。
今回出版した『写真で学ぶスクレラ分析』は、10数年かけた膨大な資料を整理したもので、撮影した写真を患者さんと共通の情報にすれば、東洋医学界の発展になるし、写真なので、客観的な診断をすることもできます。
本書の特徴は、東洋医学理論で分析マップを作成したことにあり、欧米のマップとは大きく違います。
東洋医学理論での分析マップとは、経絡で分析することができ、経絡で治療することもできるということです。
この本と合わせて、DVDも出版するのですが、これらを利用することで、誰でも簡単な分析ができるようになり、ちょっと困ったことぐらいなら、スクレラを分析して、分析結果に合わせて簡単な指圧や家庭療法やアロマなどを使って症状を緩和させることができるようになります。
そして慣れてくると、目を見ただけで、「あ、この人は怒りっぽいかも知れない」とか、「この人はちょっと臆病かも知れない」ということが分かるようになります。
それは、東洋医学には「五臓と七情」というのがありまして、臓腑の弱点から感情を判断する方法を応用した方法です。
相手の特質を知って会話をすることは、相手にいい気分で話をしてもらうコツでもあり、楽しく時間を過ごすコツでもあります。