かに道楽、道頓堀「戎橋」風景
江嵜企画代表・Ken
夏の盛り、7月26日午後3時開演の「松竹座」五代目中村雀右衛門襲名披露、七月大
歌舞伎に出かけた。開演の小1時間前に着いたのを幸いに筋向いにある「かに道楽」
をスケッチした。鉛筆デッサンで描いていたスケッチ画を2ケ月近く放置していたも
のを彩色した。
爆買い訪日客が殺到していた1年前と比べてさすがに人は減った。しかし、この界
隈は大阪でも有数の観光スポットとして知られている。炎天下ものともせず大勢の若
者で一杯だった。スケッチ左片隅に戎橋の一角を入れた。
戎橋の名は昔、今宮戎神社にお参りする参道であったことに由来するそうだ。戎橋
は昔、ナンパする若者が多く「ひっかけ橋」という異名を持つことでも知られてい
る。「かに道楽」本店の看板も有名だが、道頓堀川に面して立つ「グリコの看板」と
いえば、ああ、あそこか、と話が早い。最近とんと縁遠くなったが、関西の某球団が
優勝したときに、戎橋から道頓堀川に飛び込んで命を落とした事件もあった。
土地の人の話によれば表向き変わったように見えないが、ここ十数年で経営者が急
速に変わっている。老舗のお店が代替わりすこともあり、特に某国の資本が急速に
入って来ていると聞いた。栄枯盛衰は世の習いであるが、戎橋界隈が日本有数の観光
スポットとして末永く生き残って欲しい。
この日の本来の目的の七月大歌舞伎公演見物は、たまたまかぶりつきの券を回して
いただける幸運に恵まれ大いに堪能した。いきがけの駄賃ではないが、「かに道楽」
のスケッチも描くことが出来、記憶に残る一日となった。(了)