土井智文先生大いに語る
江嵜企画代表・Ken
循環器内科専門医、神戸赤十字病院、土井智文先生の講演会が5月27日(土)午後2時からよみうり神戸ホールで開かれ楽しみにして出かけた。開演20分ほど前に会場に着いた。既にほぼ満席、会場の様子をいつものようにスケッチした。
土井先生は1961年,兵庫県相生市生まれ、今年55歳、赤穂で研修をはじめ、92年から六甲アイランド病院、2010年から神戸赤十字病院循環器内科勤務、医者として32年目を迎えましたと話を始めた。ほのぼのとした語りがまず印象に残った。
土井先生は会場のプロジエクターに日本人の死亡原因の円グラフを映した。日本人の死亡原因1位は悪性新生物つまりがんで約30%です。2番目に多いのが心疾患つまり心臓の病気で約15%あと肺炎9%、脳血管疾患8%と続きます。年齢が高くなれば心疾患は増える傾向にありますと説明された。
悪性新生物(ガン)では肺、胃、肝臓、すい臓、前立腺、乳房、胆のう、皮膚等の部位が挙げられる。しかし、心臓のガンは極めて少ないと確か聞こえた。
土井先生は32年間の私見ですがと前置きして、心疾患の対応は、動脈硬化を遅らせることと話された。そのためにどうするか。それにはタイトルの副題にあるように~心臓にやさしく、血管にやさしく~日々の生活を送ることに尽きるのではないかと、質問時間入れて午後4時までの講演を通じて教えられた次第である。
土井先生の説明の中で、心臓に負担がかかると心臓の壁が厚くなるという言葉が出てピクリとした。私事で恐縮だが、今年1月ロスへの団体ツアー参加を決めていた。どうも最近階段の上りがきつく感じていた。老化による肺機能低下のせいだと思い込んでいた。ところが専門医に心筋肥大症と診断され旅行直前キャンセルを余儀なくされた。
土井先生はプロジェクターに体全身の造影剤投入前と後の映像を複数の症状に分けて解説された。足の先から頭の先まで血液が流れている。一ケ所でも血流に異常が出ると即全身に影響すると説明された。その一つに足のむくみを挙げられた。
むくみの説明では体重が増える場合、水が溜まって増えることがよくある。急に体重が増える場合は専門医の検診を受けた方がいいとアドバイスされた。おかしいなと感じたら専門医に見てもらうのがいいでしょうとの話のとき、医者の処方薬で疑問が出たら正直に先生、おかしいですと言われた方がいいと話された言葉も印象に残った。患者の立場では中々言えないことだ。今回のような話を聞くとそれだけでも心疾患が治るかもしれない。
夜トイレに立ったときふらふらする。そんな時はいったん腰を下ろす。血圧を安定させることになる。男性の場合、便座に座っておしっこをするのも大事だ。とにかく血管にやさしく、心臓にやさしくしてやることが大事なのだろう。
2時間の講演内容を紙一枚に書ききれない。土井智文先生のお人柄にもよるところ大なのであろうが、講演が進むにつれて、会場がほのぼのとした雰囲気に変わっていったことを実感した。(了)