夏の甲子園
江嵜企画代表・Ken
8月5日(日)から夏の甲子園が始まった。今年は第100回大会という鳴り物入りである。人は多いと予測して最寄り駅阪神御影を朝5時46分発の普通に乗った。5時台では特急はない。車掌が「大阪梅田にはこの電車が先に到着します」とアナウンスした。
各駅停車であるが、甲子園駅に20分ほどで着いた。駅から甲子園球場入場券売り場までは直進200メートルほどの距離がある。母校は甲子園球場と文字通り目と鼻の先に位置していた。高校野球の試合前の練習場として母校の校庭が使われたが、いまや、昔語りとなった。
100回記念大会ということで、誰も思うことは同じ。開会式まで3時間近くを残して駅から入場券売り場まで人、人、人でごった返していた。「外野席の方はこちらの列をお進みください」と言う係員の声が聞こえた。この混雑では「球場に入ることが最優先」と決め「外野行き」の列に並んだ。入場口手前で、金属探知機を使った手荷物検査を初めて受けた。
開会式の最大の目的の一つはスケッチである。最初に座る場所を決める。球場の全景を抑える。開会式が9時から始まった。国旗を先頭に、大会旗、選手入場するタイミングでまとめた。観衆は、外野席の下段から埋まった。たまたま作新学院の野球部の生徒だろう、十数人が並んで座ったところを描き込んで仕上げた。
開会式開始10分前に皇太子ご夫妻がご臨席のアナウンスがあり、観衆は拍手でお迎えした。皇太子はまず水害で被害に遭われた方へのお見舞いを述べられたあと「高校野球大会には過去2回観戦した。その時のことを昨日のことのように記憶している。高校野球はその後も楽しく拝見している。」などと挨拶された。
開会式に駆け付ける今ひとつの目的は、選手宣誓である。くじで選ばれた近江高校の中尾雄斗主将は「私たちは今100回という長く、重みのある歴史の上に立っています」と口火を切った。中尾主将は「数多くの災害に見舞われ、笑顔だけでは乗り越えることが出来ない悲しみがありました。」「甲子園は、勇気と希望を与え、日本を平和にしてきた証しです」と続けた。
「記念すべき年に野球が出来ることに感謝し、多くの人々に笑顔と感動を与えられる最も熱い、本気の夏にすることを誓います」と結んだ。球場全体から大きな拍手が沸き起こった。左隣で観戦していたさる青年は「選手宣誓、立派やった。立派やった。あれは出来ない。」と一緒に観戦していた女性に、興奮気味に語りかける姿が印象的だった。ヤフーのインターネットによれば「中尾主将は300回練習した」と話していた」と書いていた。
第1試合開始前に松井秀喜氏の始球式が予定されていた。第1試合に登場する星稜の猛打も魅力十分だった。しかし、試合開始は10時40分である。今年の酷暑は半端でない。開会式が終了した時点で、おとなしく家路についた。(了)