巨鍼は鍼が太くて長いのでビックリする人が多かったです。
だから最初の頃は、極力見せないようにして、ブログで写真を公表することも控えていました。
それは、患者さんが恐怖心を持つと治療がやりにくくなるからです。
恐怖心と言えば、巨鍼での舌根への刺鍼だと思います。
顎の下から舌根に向けて刺していくと、患者さんは「うう、うー、う」と唸り声をあげます。
これを斉斉哈爾で見たときには、私も「こわ~!!!」と思ったものです。
しかも、張雲飛先生は、50㎝の鍼を刺して、ぶらぶらさせたまま治療していました。
それはそうですよね。
50㎝の鍼は長いのでぶらぶらしますよね。(見ていたら怖いです)
50㎝の鍼の揺れで、弛緩作用が出るので、治療効果は上がる可能性はありますが、私には張先生のような勇気はありませんでした。
しかし、脳梗塞をすると、半身が麻痺するので、舌も半分麻痺しているのです。
となると、舌の半分は動くが、半分は動かない。
そうなると、しゃべろうとすると、縮んだ半分の舌が動かないので、上手くしゃべれないのです。
しかし、この鍼をすると、「しゃべりやすくなりました」と言います。
そんな患者さんの言葉に励まされ、患者さんを怖がらせないで、いかに安全に、鍼をするかを考えます。
その一つの方法として、「短い鍼を作ろう」と考え、15㎝ぐらいの鍼を作りました。
鍼は全て「手作り」ですので、何本も作っていたら「お手のモノ」です。
その15㎝の鍼で「舌の治療」をするようになってからは、患者さんもビビらないようになりました。
そして、「舌根への鍼」をしたら、「頭がすっきりする」と言ってくれるのです。
(舌の左右のバランスが良くなると、体のバランスも良くなるので、脳のバランスも良くなると考えらます)
この舌根への刺鍼はセミナーでもやったことはないし、当時の当院スタッフ以外は見たことがないと思います。
あの患者さんの「うう、うー、う」という唸り声は私も怖いので、よっぽどでないとその鍼をすることはありません。
今度の講習でも、対象者はいないので、やる予定はありません。
ただ、「こういうこともあるのだ」と言うのを知ってもらうためにこの記事を書いています。
巨鍼療法は、基本的に「皮と筋肉の間に刺して横に通していくので」危険なことはないのですが、この舌根への鍼だけは直刺で硬くなった舌根に刺すので、危険性が全くないとは言いません。
だから、中途半端に巨鍼をしようなんて考える人には教えたくないです。
巨鍼療法講習会のご案内
日時 :6月23日(日)13:00~15:00
会場 :新城針灸治療院
参加費:20.000円(税込)
講師 :新城三六(日本巨鍼療法創始者)
会場 :新城針灸治療院
参加費:20.000円(税込)
講師 :新城三六(日本巨鍼療法創始者)
申込 :06-6765-7622(木、金、土以外は留守録)
shinjo36アットマークsunny.ocn.ne,jp