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オモト(万年青)
江嵜企画代表・Ken
フラワーショップ「潤」の仕事始めは1月13日である。どんな花が勢ぞろいしているかとワクワクしながら店に午前10時半過ぎに着いた。
オモト(万年青)の鉢が棚一杯に並んでいた。葉はしっかりついているが実が今ひとつ、一方、実はしっかりついているが葉は今一つ、帯に短したすきに長しで珍しく迷った。葉に班があり実がしっかりついているオモトを選んで、自宅に持ち帰ってスケッチした。
フリー百科事典『ウイキぺディア』によれば、本州南部から中国にかけて暖地に分布すると出ていた。万年青の歴史は、三百数十年とも四百数十年とも言われる。古くは家康が江戸城へ入る時、家臣の中に万年青を献上したものがいたとも伝えている。
明治に入り、栽培の中心は武士階級から富裕層へ移った。明治10年ごろ京都で大ブームが起こり、ひと鉢1000円(現代の1億円)という例があると書いてあった。
鶴は千年,亀は万年と鶴亀が長寿で、縁起のいい動物とするならば、オモトは名前からして万年青だから、縁起のいい園芸植物として根強い人気を今に至るも保っているのであろう。
今年は干支にちなんでうさぎの色紙の絵から始まった。次に南天と来て、正月早々の題材として万年青は外せない。(了)