この平和な時代に、全世界的な謎の組織があるのを知っているだろうか。その支部の数たるや、国連の参加国数を上回るほどで、まさに、世界を陰で支配しているといっても過言ではない。
本部はヨーロッパのどこかにあるというのだが、詳しい場所は、私も知らない。本部と支部にそれぞれ一体どれくらいの人員が配置されているのか、それさえもよくわかっていない。そしてその活動内容はというと、各支部に数十名ずつのグループを作らせ、お互いに戦わせるというもの。肉体同士ぶつかり合うため、時には血を流し、時には大ケガを負うこともある。しかし、戦い自体はそのまま続けられる。決して、そこで終わるわけではない。負傷者のことなど、気にしている暇はないのだ。
さらに驚くべきことに、これらの戦いは、公開で行なわれる。観客たちは、戦いを楽しげに眺め、時にはひいきでないグループへの激しい罵倒を浴びせたりもする。勝った者たちには栄誉が与えられ、負けた者たちは寂しく引き上げていく。そして勝っても負けても、この戦いが終わることはない。別の場所で、また別の相手との戦いが続けられる。
私も一度この戦いを目にしたことがあるが、タマが飛び交い、煙が立ち込め、一種騒然とした雰囲気の中で行なわれていた。見る方だって、命がけだ。観客の方が命を落とすことが多い、ということも聞いた。
組織は、末端に到るまで支部を通じて本部の管轄下にあり、上納金が、規模の大きさや収入の多寡によって課せられている。従って、組織は常に有り余るほどの蓄えを持っており、戦闘資金には困らない。さらに、戦いを公開することによって、ますます上納金が増えるというシステムも作り出している。また、政治経済は言うに及ばず、学術文化方面にも、絶大な影響力を持っているらしい。
そう、この戦いはサッカーといい、組織の名を、FIFAという。
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本部はヨーロッパのどこかにあるというのだが、詳しい場所は、私も知らない。本部と支部にそれぞれ一体どれくらいの人員が配置されているのか、それさえもよくわかっていない。そしてその活動内容はというと、各支部に数十名ずつのグループを作らせ、お互いに戦わせるというもの。肉体同士ぶつかり合うため、時には血を流し、時には大ケガを負うこともある。しかし、戦い自体はそのまま続けられる。決して、そこで終わるわけではない。負傷者のことなど、気にしている暇はないのだ。
さらに驚くべきことに、これらの戦いは、公開で行なわれる。観客たちは、戦いを楽しげに眺め、時にはひいきでないグループへの激しい罵倒を浴びせたりもする。勝った者たちには栄誉が与えられ、負けた者たちは寂しく引き上げていく。そして勝っても負けても、この戦いが終わることはない。別の場所で、また別の相手との戦いが続けられる。
私も一度この戦いを目にしたことがあるが、タマが飛び交い、煙が立ち込め、一種騒然とした雰囲気の中で行なわれていた。見る方だって、命がけだ。観客の方が命を落とすことが多い、ということも聞いた。
組織は、末端に到るまで支部を通じて本部の管轄下にあり、上納金が、規模の大きさや収入の多寡によって課せられている。従って、組織は常に有り余るほどの蓄えを持っており、戦闘資金には困らない。さらに、戦いを公開することによって、ますます上納金が増えるというシステムも作り出している。また、政治経済は言うに及ばず、学術文化方面にも、絶大な影響力を持っているらしい。
そう、この戦いはサッカーといい、組織の名を、FIFAという。
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