毎日毎日あんなに沢山のメールが届いていたのに、このところどういうわけかまったく来なくなってしまった。
いや、正確に言うと広告メールや社外からのメールは届くのだが、社内メールだけがとんと途切れてしまったのだ。
おまけに電話もめっきり掛かって来なくなった。たまにマンション経営とか先物取引とかで社外から掛かってはくるが、前々から頼んでいるように、電話受付の子が丁重に断わってくれている。
これは一体どうしたことだろう。そう言えば、職場の皆も何だかよそよそしいし、朝のミーティングでも僕の発言する機会がすっかりなくなってしまった。
以前なら「影山さん、これどうしましょう」「影山さん、ハンコお願いします」と、しょっちゅう話し掛けられていたのに。…まるで、僕が存在していないかのようだ。
とは言え、定年までまだまだあるし、仕事干されるような立場でもない。
話をメールに戻せば、たっくさんのメールに追い回されてイヤになっていただけに、せいせいした気分にならないでもない。何の承諾もなしに突然ポンと飛び込んでくる難しい仕事の数々に、ストレス溜まっていたところだし。「精神衛生に悪いなあ」と思いつつ、こなしていたものだ。
懸案事項もたくさん貯まっているし、何件かメールを入れてみた。相手には届いているはずなのに、まったくナシのつぶて。
そうこうしているうち、職場で一番元気があり、何かと意見してくる若手の男が僕にこっそり教えてくれた。
「あのー、大変申し上げにくいのですが影山さん、先週とても寒い日があったでしょ。その朝影山さん、心臓発作で亡くなったようなのです。仕事好きなのは分かっていますが、僕らも非常にやりづらいですし、そろそろお引き取り願ってもらっていい頃かと…」
Copyright(c) shinob_2005
いや、正確に言うと広告メールや社外からのメールは届くのだが、社内メールだけがとんと途切れてしまったのだ。
おまけに電話もめっきり掛かって来なくなった。たまにマンション経営とか先物取引とかで社外から掛かってはくるが、前々から頼んでいるように、電話受付の子が丁重に断わってくれている。
これは一体どうしたことだろう。そう言えば、職場の皆も何だかよそよそしいし、朝のミーティングでも僕の発言する機会がすっかりなくなってしまった。
以前なら「影山さん、これどうしましょう」「影山さん、ハンコお願いします」と、しょっちゅう話し掛けられていたのに。…まるで、僕が存在していないかのようだ。
とは言え、定年までまだまだあるし、仕事干されるような立場でもない。
話をメールに戻せば、たっくさんのメールに追い回されてイヤになっていただけに、せいせいした気分にならないでもない。何の承諾もなしに突然ポンと飛び込んでくる難しい仕事の数々に、ストレス溜まっていたところだし。「精神衛生に悪いなあ」と思いつつ、こなしていたものだ。
懸案事項もたくさん貯まっているし、何件かメールを入れてみた。相手には届いているはずなのに、まったくナシのつぶて。
そうこうしているうち、職場で一番元気があり、何かと意見してくる若手の男が僕にこっそり教えてくれた。
「あのー、大変申し上げにくいのですが影山さん、先週とても寒い日があったでしょ。その朝影山さん、心臓発作で亡くなったようなのです。仕事好きなのは分かっていますが、僕らも非常にやりづらいですし、そろそろお引き取り願ってもらっていい頃かと…」
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