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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

心に懐かしい”原風景”を

2014-09-07 12:21:47 | こころ
 
 子供の夏休みも終わり、新学期である。中にはユーウツな子もいるに違いない。
 たしかプロ野球のどこかのピッチャーだったと思うが、こんな話を最近何かで読んだ。
「ヒット打たれてピンチに陥った際、子供の頃、近くの川で夢中になって釣りをしたことを思い出すようにしている。とても楽しい思い出なので、心が非常に落ち着き、冷静になってピッチングができる」

 子供も大人も、それぞれの時点でツラいこと/悔しいこと/面白くないことはたくさんあるに違いない。心の中に楽しい思い出“原風景”があるかどうかで、その際の気持ち・対応は変わってくることだろう。
 上のピッチャーの話を読んで以来、何が僕の“原風景”なのだろうと考えている。石並川という、深くきれいな川で夢中になって泳いだりしたこと、あるいは(もうなくなってしまったけれども)宮崎の実家の廊下で日に当たりながら横になっていたこと、かな。
 お母さんの膝枕で耳かきしてもらったこと、好きな人とのドライブ、旅先で目にした見事な景色、などなど、皆さんにも何か一つは、こういういい思い出“原風景”があることだろう。それを人生のピンチの時に思い出すのも、回復のためのいいきっかけになるのではないかと思う。

 それで思うのは、全国に何万何十万といるらしい、虐待されている子供たち。暴力により、または飢餓により亡くなっていく際、何か楽しい思い出があっただろうか、と。一つでもいいから、楽しい思い出に浸りながらあの世に行ってほしいもの。
 僕自身虐待は受けたことはないが、子供の頃、家族全員誰も信じられなくて非常にツラい思いをしたことがある。楽しい思い出は吹っ飛び、イヤな思いばかりしていた。(昔のことなのですっかり忘れていた)
 …秋の気配も深まってきたせいか、最後しんみりした話になってしまいました。

 〔写真は、和倉温泉で見たきれいな夕焼け〕




  

コメント
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