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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

何が正しいかというのは…

2015-05-17 20:59:07 | 時事
 建築にしろ金融にしろ教育にしろ、法律というものがある。薬であれば、医薬品医療機器等法(以前は薬事法)に沿わなければならない。実際はより詳細な同法施行令や施行規則、各種通知に従うことになるが、逆に同法の上位はというとおなじみ憲法第25条に行き着く。では前文を含む憲法の上位はというと、文章自体は存在しなくて〈理念〉ということになる(いわば不立文字)。

 未成年であれ一般人であれ公務員であれ、法律には従わなければならないのは当然ながら、すべての概念を文字にすることは事実上不可能。従って、細かいところでの「解釈」の差異がどうしても出てくるし、裁判所の存在意義というのもそこにある。

 どこの国でもいつの時代でも、解釈による運用が行なわれているのだとは思うが、理念上よろしいのかどうかというのは意見の分かれるところであり、何が正しいかというのも直ちには決めづらいもの。
 とは言え、多くの市民の「何か変だ」という感覚は、集団的無意識(あるいは阿頼耶識)の中に在ると言われる〈真理〉に近いものであろうし、そしてそれは、為政者/権力者の「正しさ」をも上回れるのでは、とも。
 …気持ちのいい青葉の季節、こんなことを考えていました。

コメント
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