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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

声を出すということ

2016-02-07 09:53:01 | エッセイ
 
 業界(薬)の仕事をしているというのは前にも話をしたけれど、昨年末、よその会社の方々を前に、大事な会議の司会をやることになった。
 おおかた話すことは決まってはいたものの、お偉いさんもたくさん列席している中、言葉つっかえたり聞きづらかったり、ヘタな司会はできないため、少しばかり練習を積んだ、という話。

 前任者のものをアレンジした進行ナレーションを印刷し、声出して読む練習。自分で書いた原稿とは言え、いざ読むとなると噛みそうになるし声も出ないこと。普段からあまりしゃべる方ではないので、会議室に籠って何回も繰り返し、ようやく人様に聞かせられるような発声となった次第。
 併せて滑舌の練習を。そう…食後、唇と歯茎との間に食べ物が挟まった際、舌でかき取ろうとすると思うが、その舌の動作を右回り左回りに10回ずつやるというもの(たしか『世界一受けたい授業』で紹介されていた)。これやるとコメカミの辺りが痛んでくるが、効いている証拠。何度もやる必要はないが、これやっていると言葉がスムーズに出てくるし声の通りも良くなるはずなので、人前でしゃべる機会の多い方、是非。

 もちろんプロのアナウンサーや歌手は、全身含めもっともっとトレーニングをしていることだろう。
 時間がない場合は、あごの下、エラと言われる骨の内側を指で押さえるのでもいい。それと、舌を出しながら「あー」というのも(これは三浦雄一郎さんの伝)。ただしいずれも、人前ではやらない方がいい…。

 声を出さないでいると、気持ちが内にこもると言うのか、鬱屈した気分になるもの。声を出すとそれが発散されて、とてもいい。だからこの練習をやっていた時期というのは、職場でしゃべるのも苦にならないし、とても心地いいものだった。
 さて本番、充分に練習を重ねたおかげでうまく司会もでき、参列者からの意見も活発に出て、いい会議となったのでした。ホッ。
 


コメント
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