先々週だったか、BSテレ東で『男はつらいよ50 お帰り寅さん』をやっていた。映画館でも見ているから内容はだいたい分かってはいたが、やはり良かった。
旧い49作品の映像もうまく挿入され(日本アカデミー最優秀編集賞!)懐かしい寅さんの元気な姿も目にすることができた。と同時に、あんなにピチピチしていたさくらもリリーも(失礼ながら)おばあちゃんになり、“美少女”だった泉も、きれいなままだが「お母さん」になってしまっていた。時が経てばそりゃあ誰でも年を取るものだが、そういったことも含めて切なくて泣けてしまったのでした。
寅さん(渥美清)もタコ社長(太宰久雄)もおばちゃん(三崎千恵子)も亡くなってしまった。哀しいことだがこれも息の長い作品だからこそ。また、海外の難民や老人の介護のことが取り上げられていたのも時の流れ、か。
そうそう、満男から「人間は何のために生きているのかな」と聞かれた寅さんが「あぁ、生まれてきて良かったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえか」と答える場面は、やはりいい。名場面の一つ。
…僕もトシをとり、いずれ死んで行く。でもでも『寅さん』に出会えたことは(大げさながら)一生の宝物。こんなシリーズ作品、もう二度と生まれないだろう。