社会契約論,ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)
ルソー著 中山元訳
中山元さんの新訳はとてもよいです。初めて「ふつうの日本語」として読める訳が出た!とわたしは大喜びしています。
民主主義の原理を考えるための必読本ですが、平面的思考の「学者」たちが愚かな誤読を重ねた書としても有名です。
ルソーは文学者で作曲もし、フランス古典派の大御所ラモーとの論争は有名です。芸術家ルソーの豊富なレトリックを解さず、表層の字面に振り回されるのでは、書物を読む基本が出来ていない!としか言えませんよね。
この近代最高の古典の一つがとても分明な訳と見やすい活字になり、さらに初の「ジュネーブ草稿」全訳まで付いて980円は安過ぎです!(笑)。
皆さん、ぜひ買い直して再読を。
武田康弘