『生徒がくれた卒業証書―土肥信雄のたたかい』 澤宮優著(旬報社)
2010年7月1日刊 1575円
わたしは、東京都教育委員会のすさまじいまでの強権。戦前の国家主義となんら変わらぬ思想・態度を知り、公共的な憤りが腹の底からフツフツと湧いてきました。
民主主義の原理について何も理解していない都教委の役人たちを、東京都民は税金で雇っている。高給を与え、威張り散らす特権を与えて。
高潔で誰からも愛される校長先生を弾圧し、言論の自由を奪う。まるで北朝鮮のよう。
これほどまでに堕落した東京都の教育現場を見ると、都立高校の卒業生であり、1969年に高校改革の先頭に立って民主的改革を成就させたわたしは、呆れ返り、言葉を失います。
しかし逆に、パワーが湧き上がってもきます。個々人から立ち昇る〈魅力〉を奪う国家主義をその根元から断つための思想の闘いに、また新たなエネルギーが充填されました。
みなさん、ぜひ、ご一読を。
武田康弘