思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

人を自立させ、救うのは、意味論=納得の知

2011-01-17 | 恋知(哲学)

(a)人間がよく(=生き生きと楽しく)生きることの必要と結びついた知は、「意味論=納得の知」と言えます。そのような知を自らのものにしようとする学習は、よろこびを伴い、力をもたらし、生を豊かにします。内面性の豊かな魅力ある人間を生みます。

(b)丸暗記やパターン思考や点数のための勉強は、既成社会に適合するだけの人間をつくり、心身と頭脳の内側から湧くエネルギーを生みません。競争主義の外的人間を製造します。

(a)の「意味論」としての知を得るために学習している人は、学ぶことが即こころを強くし、知的な力と心的な力が一つになります。特定の主義や宗教的な絶対を求める心とは無縁な精神、健全で強く柔らかい心を生みます。現実生活と精神世界が有機的に結びつき、分裂しないからです。

直接経験を踏まえた心身全体による会得=「意味をつかむ納得の知」を得ようとする努力、それが困難な状況の中でも充実した生を送ることのできる条件です。したがって、すべては日々の生活仕方、学習仕方にかかっているわけです。

特別な思想・一神教的な絶対は無用、否、有害なのです。それらは、豊かな直接経験=思考錯誤によってつくられる「意味充実の知と生」から見放された人の麻薬でしかありません。


武田康弘
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