安倍首相の靖国神社参拝は、憲法違反ですが(小泉首相のとき違憲判決が確定)、
再び訴訟が始まり、原告代表の関 千枝子さん(82歳)は、以下のように述べました(東京新聞 9月29日(月)朝刊26面から抜粋編集)。
「わたし(関 千枝子)は、この訴訟を英霊本人による異議申し立てだと思っている。わたしも学校を休んでいなければ、間違いなく『靖国の神』になっていた。」
(広島第二高等学校の級友らは、広島市役所裏での建物の強制取り壊し作業に動員され、その時被ばく。現場にいた39人のうち38人が命を奪われた。関さんは病気で学校を休んでいた)
毎日新聞、女性誌の記者だった関千枝子さんは、亡くなった級友たちが63年に『靖国』に合祀された事実を70年代になり知り、
「嫌だった。合祀されていたら、わたしは、社(やしろ)から出してくれ、と泣いていたと思う。」それは、「原爆で悲惨な死を遂げた少年少女が、なぜ『戦の神』なのか」といった疑問や靖国神社自体に対する拒否感から来ている。
「戦時中は、戦争をすれば、強く豊かになれると信じていた。相手国の人にも多大な苦しみを与えていることなど、考えたこともなかった。」
「戦後は国のあり方を改め、戦争はしないと肝に銘じたはずだ。それなのに靖国神社は、あの戦争を『聖戦』とし、嫌だと思う人の合祀取り下げも認めない。戦前の軍国主義の日本と同じ思想をもつ靖国神社に、わたしは恐怖を覚えている。」
福岡地裁、大阪高裁では、小泉首相の靖国参拝に「違憲」の判決が出て確定している。
「安倍首相の違憲判決を知りながらの参拝は、憲法が定める政教分離への敵視だ。政教分離は国家神道の否定であり、憲法九条と表裏をなす平和思想だ。」
「現在の動きは、戦前の軍国主義や『強い日本』の再現を目指しており、平和的生存権に違反している。その縮図が靖国神社だ。わたしたちは、あの戦争の惨禍から、絶対平和、基本的人権、国民主権の憲法を持った。首相の違憲行為を絶対に許せない。」(関 千枝子)
※ 「靖国神社とは、神社ですらありません」 をご参照ください。
武田康弘