思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

音楽ホール設計者・小林宅サロンで、とっても贅沢なコンサート・ピアニストの松本和将さんら7名で。

2015-03-18 | 芸術

  3月15日の日曜日、小林洋子宅の小ホールでの演奏会に招待されましたので、自由が丘まで出かけました。神田と文京が実家のわたしは、世田谷区は遠い存在で、等々力には45年ぶりに行きましたが、あまりの変わりように浦島太郎気分(笑)田舎だったのに!
わたしは、いまは手賀沼に臨む白樺派のコロニー・我孫子を故郷としていますので、行くのに2時間かかります。
  でも、行った甲斐がありました。演奏会の内容は、表現意欲に溢れ、若々しくエネルギッシュで、小空間は豊穣な音響で満ち、なんとも贅沢な音楽時間。国際的にも活躍する実力者たち7名の奏者に、座席は20名という昔の王侯貴族のような演奏会でした。

 
  5時開演の予定が20分ほど遅れ(リハが伸びて)、最初は、クラリネットとピアノで、サジェの「コンクールのための独奏曲」
  本濱寿明(もとはま・のぶき)さんの有り余るパワーのクラリネットは圧巻、松本和将(かずまさ)さんの表情豊かなピアノとピッタリで、まったく知らない曲ですが、面白かったです。

 

  次は、チェンバロのためのヴィヴァルディ「ソナタ第1番」(作品47)を、ファゴットで演奏。柔らかく快活な曲と演奏は、親しみやすく気持ちよい。蛯澤亮(えびさわ・りょう)さんの演奏技術も高く素晴らしい!

  3曲目は、ボサの「森にて」。これも作曲者の名前すら初耳の作品、ホルンの最高音から最低音まで使った曲との説明がありましたが、マニアックですね~。すぐ近くで聴くホルンの音は楽しく美しく、遠い昔、ブラスバンド部の頃(高校生)を思い出しました。わたしには、若いホルン奏者・井上華さんの髪型と顔立ちが、ブランクーシの彫刻「ポラニー嬢」のように見えました。

   

前半最後は、ハチャトリアンの「クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲」。
エネルギ-溢れる強烈な三重奏曲。ハチャトリアンはたたみかけるような「剣の舞」があまりに有名ですが、室内楽曲でもパワフル。
表現意欲の強いピアノの松本さんとクラの本濱さんに、華奢に見えるヴァイオリンの上里はな子さんも全然負けていない、実力者です。

 

           15分間の休憩

      本さんと蛯澤さん

  

    休憩後、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」。これは、ピアノ三重奏版での演奏、ナレーションまで入り、よく分かる。日本語訳した歌詞は、クラの本濱さんが編集し、ファゴットの蛯澤さんが「語り」ました。改めて、ストラヴィンスキーは天才だな!と思いました、独創の鋭さとオモシロさ。

    

 
  なんと次は、シューベルトの「ソナチネ1番」です。名演です。ヴァイオリンのはな子さんは、濃やかだが音に広さと大きさがあり、目をつぶると、おおきな楽器が鳴っているように聞こえます。わたしの手元にシャハムがギター伴奏で入れたCDがありますが、松本さんのピアノ伴奏によるこの演奏は、よりシューベルトの本質を感じる演奏で、しみじみと心に入りました。

 
   いよいよラスト、大曲です。
ヤナ-チェクの「コンチェルチーノ」これは、変則的な編成の曲ゆえに演奏機会がないとのことですが、まさに不思議な曲です。ヤナ-チェクは弦楽四重奏曲の「内緒の手紙」にも感じる〈熱〉が特徴ですが、これは更に激しい情熱に溢れた曲で、シューベルトの次にこれがくるのですから、ピアノの松本さんの「熱」も見上げたもの~~(笑)。
実質は、通常のピアノ協奏曲以上にピアノが活躍するピアノコンチェルト!情熱的なピアニストである松本さんが「この曲、やりたかったんです!!」というのがよく分かります。
ここで、二人の方が参加して奏者は7名に。まだ高校生(芸大付属)のヴァイオリニスト・木村瑠菜(るな)さんと、指揮者でもあるヴィオラ奏者の阿部真也さん。

    

 

 

みなさん、熱い一夜をとっても感謝です。ブラボー!!

なお、主宰者の小林さんは、公共の音楽ホールなどの設計者です。音響的にも視覚的にもたいへん美しいと評判の「ミューザ川崎シンフォニーホール」は彼女の設計です。


 主宰者の小林さん、林さん

            
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武田康弘

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