いまの子育てを見ていると、親によるこどもの型ハメが目立ちます。
親の思う「よさ」(○○らしく)に誘導しようとするために(おそらく親世代の管理教育の影響)、こどもの自然性ーなんでも試す好奇心、めちゃくちゃをやってみることが禁止されてしまい、強く豊かな生命力の発達が抑圧さています。
どろどろ。べたべた、びちょびちょ、という混沌の経験は、何よも大切なもので、それがないと、「意味のある秩序」(外からの力で押さえつけたり、上手いこと誘導するのではなく、内から心で納得できる秩序)がつくれないのです。
混沌、デタラメを経由して自己納得のもとにつくる秩序がないと、大人になっても自分自身として生きることができません。そういう人で溢れているのがいまの日本という国です。精神疾患者だらけ。
どんなに幼い子も、自分自身で考える力をもっています。状況を認識し対処する能力は、驚く程のもので、1歳、2歳でも、親しく接していると、その能力の高さには唖然となります。感動あるのみです。
こどもをおとなの鋳型にハメるのではなく、こどもの示す行為の意味を知ろうとする心が必要です。こどもの目線になり、こどもの行為を肯定する態度をもって接し交わると、こどももおとなも驚くほどの発展、深さの世界が拓けます。生きることの悦び=人生の意味が了解され、ほんとうの豊かさが得られます。
わかった風なことを言う大人こそ、この世の悪の源泉です。まして、何も見えない愚かな政治家が権力を使って教育に介入するなどは、地獄堕ちの行為です。よく弁えなさいよ、変えなくてはならないのは、あなたの生き方=考え方=態度の方です。幼子に学ぶ心をもつことが、あらゆる人間問題と社会問題を解決するための原理中の原理なのです。
武田康弘