思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

3月7日、サロネン・フィルハーモニー管弦楽団とヒラリー・ハーンの演奏会。見事!

2015-03-08 | 芸術

二曲のシベリウスにブラームスにベートーヴェン、みんな素晴らしい演奏で、元気満々!!

サロネンは、強靭なパワー、癖のない透明な解釈。オケもニュートラルな音色、クラリネットとホルンにわずかな出だしミスがあって惜しい。エロイカでのホルンの強奏は見事。ティンパニーの過度応答のよさ(立ち上がりと立下りの速さ)はギネスもの。有り余るパワーに圧倒された。

一曲目のシベリウス「トゥオネラの白鳥」とアンコールの「悲しみのワルツ」は、豊かな感情を指揮棒なしで表現、絹ズレのような美しい音に唖然。こんなに見事なシベリウスを聴いたのは初めて。サロネンはシベリウスと同じフィンランド人。

ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、ハーンが全身を使い、女性的な迫力に満ちた快演。かつての美少女は、自信に満ち、自身のソロが休止の時は、オケのヴァイオリパートを見て相槌を打つなど余裕綽々。サロネンとの相性もピタリで、感情は豊かだが、都会的ですっきりとした抒情性の世界。快適なテンポで気持ちよく、とても満足。演奏が終わるや、サロネンとハーンは、互にしっかり抱き合ったー素敵な光景!
アンコールは、バッハのパルティータ3番。明快・端正で規範的演奏。

ベートーヴェンの3番・エロイカは、明快でノリがよく、快適なテンポ。
サロネンはよい意味でアマチュア精神を残し、若々しくキビキビとし、同時に歌心のある見事な演奏。オーケストラの指揮を楽しんでいる。第二楽章の葬送行進曲のみ指揮棒なしで表現。
作曲家らしく、この曲の「革新性」を明確にしつつ素晴らしい力で進む、50分があっという間。

明快な理念をもち、鋭敏な感覚と運動神経を武器に、明晰な楽曲分析によりつくられる音楽は、情感の豊かさにも欠けない。

アマチュア精神とさえ言いたくなる「初々しさ」まであり、
上質のエネルギーが身体に充填されたようで、楽しく、とても得した気分になった。



武田康弘

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