思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

イブラギモヴァ率いるキアロスクーロ弦楽四重奏団に驚嘆!20世紀の名盤は過去のものに。

2016-01-17 | 芸術


(クリック)

 

既存の足かせなどない。
本質的に新しく、古いクラシックの堅苦しさや権威主義は、微塵も感じられない。

古代ギリシャで、港町のミレトス(いまのトルコ)において世界のいくつもの国が集まり貿易を始めたとき、各地方の宗教による世界理解ではない「普遍了解的な思想」が必要とされ、それがフィロソフィの起こりとなったのだ~~~
そんなことまで連想してしまったのが(笑)この演奏。 鳥肌立ちっぱなし!!
古きよきクラシックファンは、拒否反応を起こすであろう凄まじい演奏です。これぞ、21世紀に新たな命を与えられたモーツァルト(弦楽四重奏曲15番ニ短調K.421)で、四人の奏者の「高み」の自発性に基づく感動的名演です。

申し訳ないのですが、かつての名盤、ウィーンのアルバン・ベルクの演奏が退屈(甘いお菓子)にしか感じられません(失礼)。
同じピリオド楽器(ガット弦)を使用したクイケンの名盤とは音色に少し共通性がありますが、解釈と踏み込みの深さ、情報量は大きく異なります。ああ、時代は進むものだな~~、というのが実感。

先月、ベートーヴェンの245回目の誕生日に聴いたポール・ルイスの驚くべき名演。聴衆は拍手ができず、「あまりの高み」の演奏に、「このまま家に帰らず、蒸発してしまいたい。」との感想を書いた人まで現れたピアノソナタ30~32番の王子ホールでの演奏会、
それは、21世紀のいま、ベートーヴェンが新たに作曲したかのような生命の躍動感に満ち溢れたピアノでしたが、このモーツァルトもまったく同じです。

だから、ロマン派のメンデルスゾーンの四重奏曲はさらに大胆な演奏で、聞いたことのない新曲のように聞こえます。

良い時代になったものだな~~~~。
こんなに自由に、のびのびと演奏できるとは。20世紀の古きよき時代の演奏は、もう博物館に展示しておけばいいです(笑)。


キアロスクーロ・カルテットは、第一ヴァイオリンがイブラギモヴァ(ロシア生まれ) 第二ヴァイオリンがベネディ(唯一の男性で、スペインのマドリード生まれ)、ヴィオラがヘルンルンド(スェーデンのエーテポリ生まれ)、チェロがティリオン(フランス生まれ)です。素敵なことに、今年4月6日、銀座の王子ホールでモーッアルト、ベートーヴェン、シューベルトを演奏します。




武田康弘

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする