いまの日本がある、いまわたしたちが生きている、それを可能にしている文書はなんでしょうか? 戦後の日本の存在を可能とした最大の文書ですので、それを知らないでは何一つ前に進めません。その前提のもとで、いま、わたしやあなたは生きています。
「ポツダム宣言」を受け入れて、いま、日本は存在しているのです。
ところが、現代史上、最大の文書である「ポツダム宣言」は、教科書の巻末資料にさえ載っていません(歴史も公民もです)。これほどの不可思議はないですが、いったいなぜでしょうか。日本は敗戦したのではなく、戦争が終わった、そう、台風や地震のような自然現象のように「終わった」だけ、ということにしたいのでしょうか。
安倍首相の敬愛する祖父の岸信介ら東条内閣(昭和天皇が近衛を嫌い東条を推した)が、決定したアメリカとの戦争、それに全面敗北して、アメリカ合衆国、中華民国、英国の三か国が連合国を代表してつくった「ポツダム宣言」を8月15日に受諾、9月2日に降伏文書に署名して、戦争を終えることができました。その「ポツダム宣言」を読んだことがないと国会答弁したのが、安倍首相です。わたしは、あまりのことに言葉を失いました。
以下は、全文です。 最初の外務省の翻訳はカタカナ表記ですので、孫崎享さん(元外務省情報局トップ)の本『戦後史の正体』からです。
『ポツダム宣言』ー全文
「降伏文書」ー全文