思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

北朝鮮のミサイル実験への破壊命令!?安倍政権の悪質な人心操作。

2016-06-29 | 社会批評

 
    このところ、北朝鮮のミサイル実験のたびに、「政府は、自衛隊に破壊命令を出しました」とのニュースが、とりわけNHKで繰り返し流されますが、
「ミサイル実験」と言わずに「ミサイル発射」と言います。北朝鮮が、まるで日本にミサイルを発射するかのような印象を与える「言葉の操作」ですが、なぜ、このような操作をするのか?

 もちろん、憲法違反と大多数の憲法学者に断定された9条の解釈改憲ー海外でのアメリカ軍を直接支援する「集団的自衛権」行使を含む軍事行動を正当化するのが目的です。国民に種々の軍事的な行動を当然と思い込ませるには、北朝鮮のミサイル実験(=挑発行為)は都合がよいのです。今にも北朝鮮が日本を攻撃してくるかのような印象を与えることに「利用」できるからです。戦争の危機が差し迫っているので、超法規的な措置もやむ終えないのだな、と思い込ませるイメージ操作です。

正しくは、もしもミサイル実験が失敗して、日本の領土ー領海内に落ちるような可能性が出た時は、これを防ぐための措置を取る、ということです。
「ミサイル実験失敗に備えて」云々であるにも関わらす、「ミサイル発射に対して破壊命令を出した」というのは、ヒドイ詐術というほかありません。

  憲法違反の「集団的自衛権」(日本の防衛は「個別の自衛権」で出来ますので全く無関係です=アメリカ軍などを助けるために海外での軍事力行使を可能とするのが集団的自衛権です)は正当であるかのような印象を与えるための「印象操作」「イメージ操作」ですが、
このような人心操作ほど危険で怖いものはありません。

 安倍首相は「戦前」が好きですが、戦前の政府発表のウソ(誇張した言い方や、敗退の事実を作戦のための撤退と言い換えた)による情報操作が、多くの国民の無駄な死を招いたことへの反省が全くないのでは(安倍首相は、一度も戦前政府の言動への批判はしていません)、また同じ失敗=戦争肯定路線という悪を繰り返すことになるでしょう。

 官邸による国民誘導の詐術=言葉による印象操作=イメージ操作は、実に恐ろしいのです。
それにより、挑発行動を取る北朝鮮への冷静で有効な政策が取りにくくなるからです。日本の安全にとりマイナスでしかないのです。



武田康弘 (元参議院行政監視委員会調査室・客員)

 

コメント (1)
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