思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

わたしにとって、最も憎むべき社会体制とは、戦前の日本です。 あなたはどうですか?

2016-11-15 | 社会思想

天皇を生きている神(現人神)として、学校で生徒たちに拝ませ、天皇の前に拝跪することをもとめた国家とは、わたしにとって、言語に絶する憤りの対象でしかなく、唾棄すべき社会体制というほかありません。嘔吐をもよおすします。

近代の国家でこれ以上に狂った思想はないでしょう。ヒトラーの国家社会主義(ナチズム)とて、思想としては、〈人間を神とする国家カルト〉などではありません。ヒトラーは一独裁者に過ぎませんでした。政府が皇族を神の系譜と定め、その下に全国民を置くという凄まじい国家宗教は、それに反対する者を社会的に、また肉体的に抹殺しました。

これは、忌むべき国家思想と社会体制であり、民主的倫理、個々人の自由と対等性に基づく「普遍的な人間性」とは最も遠い思想、おぞましいイデオロギーですが、これを仏陀の根本思想=みなが唯我独尊であるという仏教国で断行したのですから、ただただ驚き呆れ返るほかありません。

わたしは、この種の思想=皇室崇拝や天皇主義というイデオロギーをもしも学校教育の中に復活させるような政府が出現すれば、全実存をかけ、あらゆる手段を用いて闘います。

明治維新政府のつくった【国体思想=靖国思想=天皇現人神思想】と親和性をもつ思想は、民主政(民主的倫理に基づく)とは二律背反です。

その戦前思想に基づく国家を大戦時に支えたのが、東条英機であり、岸信介安倍晋三が敬愛する祖父)です。わたしは、戦前思想による政府がつくった社会体制は、不倶戴天の仇敵と思っています。戦前のふつうの多くの人々にとっても、敗戦は息苦しい国家主義からの解放だったのでしょう。英・中・米による「ポツダム宣言」受諾で無条件降伏し、連合国(実際はアメリカ一国)に統治されても、「戦勝国に恨みを抱く」ことがなかったのは当然です。


敗戦は、「国家カルト教」による軍国主義の狂気からの解放でした。
明仁さんはそれをよく弁えているので、いまの安倍政権の復古思想に反対しているわけです。民主政は世界的に普遍的なもので、国体思想は恐ろしい悪夢でした。亡霊を復活させてはなりません。


※よい・優れた人間の生き方を、わたしは、「恋知の生」と呼びます。


武田康弘

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スーパームーン?宇宙旅行&開発? 言葉の魔術です。

2016-11-15 | 学芸


(今年1月に小型で安価な超望遠付きデジカメ=キャノンSX50HSで撮影した満月です)


星占いで言われることのある「スーパームーン」という言葉は、天文学では使われません。

地球を回る月が楕円軌道なので、月ー地球間の距離はたえず変化していますので、見える大きさもいつも違いますが、

最接近時をもとにした平均の距離との比の値は、1.08弱ですから、とりたてて大きく見えるわけではありません。月面写真を同じ倍率で撮り比べれば分かりますので、遠い時と平均時と近接時を撮り、並べて見るのは面白いと思いますが(今は、超望遠付きの安価なデジカメがありますので、誰にでも撮れます)。

テレビで大騒ぎしているのを見て、ああ勘違いの報道で、天文の知識が何もない人たちだな(昔から天文についてはみなが無知です)と改めて呆れました。

ついでに言えば、宇宙開発とか宇宙旅行とかの言葉も大いなる誤解を与えます。地表上の空間に過ぎないのに「誇大広告」のような言葉です。、

一番遠くを回る宇宙ステーションや人工衛星でも、地表からの距離は500キロメートルです。地球を直径13センチの円に描くと、13000キロメートルに対して500キロメートルですから、 比の値はわずか 0.038で、えんぴつの線の厚み(0.5ミリのシャープペンの芯)でしかありません。

これも言葉の魔術で、変な勘違いを誘発してしまいます。こどもたち(大多数の大人も同じですが)が間違ったイメージを持ちますので、こわいです。

 

武田康弘(昔の天文少年・笑)

 

コメント (2)
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