いま、NHK杯将棋トーナメントを見ていて、興奮しました。
冷静的確な読みの永世名人=森内九段と中学生の藤井四段との対極。森内九段が先手番となり、得意のやぐらとしましたが、藤井四段もそれに応じてやぐらに(感想戦で「森内先生にやぐらを教えてもらいたくて」と述べていました)。堂々と攻め将棋で、真正面から戦って勝ち切りました。
相手の攻めを読み切って攻めをきらすのを得意とする森内九段(永世名人)にわずか94手で勝ち、放送時間を35分も余したので、しっかり感想戦が見れました。
藤井四段の手は、部分としての読みが冷静で的確なだけではなく、盤面全体への俯瞰的見方に優れていて、将棋が「大きい」ことに特徴があるな、と思いました。とても面白かった。それにしても、藤井九段(永世名人)にミスがあったわけではないのに、相手得意のやぐら戦で真正面から戦い勝ったのには、ただ驚くほかありません。
ふわっとして鋭い、何気なく強い、面白い子だなあ~~。 感想戦では、沈着冷静な大人である森内九段が顔を赤らめ、まるで少年のようになり、初々しい中学生対局の後のよう。 これは、いま新聞の番組欄をみたら、生放送だったようです。将棋の対局がライブとは!
武田康弘