わたしの45年間にわたる教育と哲学の考えの芯は、恋知=実存マークに示している通りですが、
それを分かりやすく感動的に描いた映画があります。
もう24年も前のアメリカ映画で、DVD・Blu-rayで見ることができます。
深く傷を負った天才ウィルは、カウンセラーの教授との出会いで「人間」に目覚めます。
どれほどの知識と、理性(総合的判断能力)を持っても、それに留まれば不幸でしかないこと、人間の自由と理性を包みこむ豊かな愛情がなければ、人間の営みには何の価値もないことを見事に映画化しています。
また、通常の(経験的な)心理学とかカウンセラーという次元では、人間精神の内奥には届かず、医師と患者という外的関係に留まること。互いに人間として心と心が直接触れ合う次元になってはじめて解放=救いがやってくることを深い感動と共に見せてくれますが、
それは、サルトルの現象学的存在論(『存在と無』)から導かれる「実存的心理学」「実存的精神分析」という高次元の思想のとても分かりやすい可視化です。
面白く、感動的で、グイグイ惹きつけられ傑作映画『グッド・ウィル・ハンティング』、まだの方はぜひ。見られた方は再度この映画を体験してください。
わたしは、いまネットで調べ、この深く見事な脚本を書いたのが、主演のウィルを演じたマッド・デイモンと知り、仰天しました。素晴らしい~~~(驚)
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武田康弘