思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

Kim 武田 対話 西欧哲学の詐術を越えて。No2

2022-03-25 | 恋知(哲学)
続きです。
  • 今日午前10時から12時30分までキリスト教美学とギリシャ美学を主題にしたzoom
    会議が韓国でありました。それは西洋の思想-哲学-文明
    におけるヘブライ的起源と
    ギリシャ的起源の相関と相違及びそれぞれが韓国思想-
    哲学-文化文明の有り様にどう関わるのかという議論で
    かなり突っ込んだ論争になりました。タケセンが考えているような問題も含めて
    より根本的な見直しを迫る
    思考と実践の根本転換を探る立場と観点のぶつかり合いでした。毎週やっています。またヘブライ神本主義
    とギリシャ人文主義、そして中国の道(理)中心思想と韓国の気(通)中心思想がそれぞれもたらした哲学形成の特徴と偏差などを総括的に見直すzoom会議もやってます。韓国では多様活発な
    哲学対話が同時多発的に行われています。しかし日韓
    対話はいまのところ我々のように持続的にやって来た
    類例は見当たりません。なんと7巻の書籍のかたちになって公開されていますから。勿論反日傾向が強烈な
    韓国の現状の真っ只中で。
    日本のマスコミや雑誌に溢れている嫌韓-侮韓-蔑韓的な
    ヘイトスピーチや記事やマンガ等々下品悪質な出版物の洪水と比べたら真摯で上品な韓日-日韓の健全なる未来共創への共同努力を続けて来られたこととそこに協力援助してくださった日韓両方の方々に感謝するだけです。
     
    • Kimさん、老いてますます精力的!!エールを贈ります。
      身体はともかく精神の若若しさが、コメントの文章に現れています(悦)
       
      • 一つ質問ですが、
        ZOOM会議の中で、ニーチェ(それに依拠した木田元さん)のように西欧の超越的な思考をプラトニズムとしてとらえ、キリスト教と重ねる見方・考え方に対する批判は出ましたか?
         
         
        •  
        • Taechang Kim
          韓国で現在行われているニーチェの見直し議論の
          中心議題は、西洋哲学の
          問題意識に基づいた従来型
          から脱皮して韓国と東アジアの現実状況のなかで主に
          生命論-治癒力-東洋美学との関連、特に老荘美学との
          関連を基軸に脱キリスト教
          的-反唯一神論的な生命解釈
          学及び生命意味学としての
          哲学再建への探究と実践に
          重点が置かれています。日本人哲学者は一人も招待されていません。
           
           
          • 「特に老荘美学との関連を基軸に脱キリスト教的-反唯一神論的な生命解釈学及び生命意味学としての哲学再建への探究と実践」.神学とは無縁の生命意味論の探求ですね。なるほどです。
             
            • Taechang Kim
              脱神学-生態意識重視の
              生命(力)活性化の課題を
              ニーチェの反形而上学と
              老荘の反儒教原理主義解放学の組み合わせによって
              西洋対東洋(中洋を東洋に入れて二分化した)という認識論パラダイムを解体すると同時に活命論パラダイムへの根本転換を目指す議論なのです。
              日本人ニーチェ学者の著作を7冊選んで精読して見たけれど入門
              書的な紹介か西洋哲学の一つとして自観自説しているだけなので "それで何?"(so what?)という疑問が起こるだけで対話への開きが感じられない。だから誰も呼ばれなかったのです。
               
               
              •  
              • 優等生(笑)の日本人では、そのような大胆なパラダイム転換は無理ですね。日本人は左翼とかリベラルとか言われる人も皆、エリート主義ですから。左翼天皇制とかとも言われます(笑)「天皇教ー官僚主義ー東大病」の三者一体による支配の中にいます。共和国の韓国は、やはり国は自分たちのものだという意識が明確で、ゆえに大胆に発想転換できるのでしょう。日本にはあらゆる人を超越する記号化された天皇(だから人権はない)がいるので。
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Kim 武田 対話 ソクラテス(プラトン)とアリストテレスの断絶を明晰に意識することが必要。西欧哲学の詐術。

2022-03-25 | 恋知(哲学)
田 康弘
 わたしは、キリスト教圏の人(とりわけ西欧人)が、彼らの日々の生活圏=キリスト教化された世界から、ギリシャ哲学を見て解釈するために、ソクラテス(前中期のプラトンの著作から類推する)思想と、アリストテレスとの大きな断絶をぼやかしてしまうことは、重大な思想問題だと見ています。
 ソクラテスのイデア(典型・理念)という思想=人間にとっては、真に実在するものとは、意味の世界であり、ただの事実というのは存在しようがないことを看破したイデア論を否定し、
 その替わりに、哲学の第一原理に「目的因」なるお話を導入し、自然の統一的理解を目論んだアリストテレスとの根本的違いを明晰に理解→了解しないといけないと考えています。
 その断絶を不分明にするのは、神学の目から離れられない西欧人の根源的錯誤といえます。
 そうではなく、ソクラテスとそれ以前の自然哲学者たちと、
キリスト教という一神教は、根本的に異なることを明晰化することは必須のはずです。
 ニーチェの「反哲学」的思想は、プラトニズムという言い方で、キリスト教の淵源をギリシャ哲学にしてしまいますが、それは、ニーチェが生まれ育ったキリスト教世界の精神風土からギリシャを見ざるをえないところの限界=誤りとわたしは見ます。
 この認識の違いは、あらゆる分野で大きなゆがみを生じさせますので、われわれ東洋人(キリスト教文化圏ではない)は、西欧化されたギリシャではなく、まっさらな目でギリシャを見つめなおすことが必要なはずです。
 その意味で、先にKimさんがあげていた木田元さんの「反哲学」は、まだ西欧化した学の目で論じた「反哲学」であり=ニーチェの見方であるプラとニズムに超自然的な見方の淵源を求めている=西欧の学の常識の枠内にすぎないと思います。
  • さらに言えば、西洋と東洋という従来の二区分は、西欧人の区分けをこちらも周到しているのではないですか?
    エーゲ海文明を西洋に入れる「常識」は変えなくてはならないと思います。
    西洋と中洋と東洋の三区分にすると、世界を西欧中心主義でみるヒドイ歪みを訂正できるように思えます。
    中洋(エーゲ海)文明を換骨奪胎して、西欧のキリスト教文明と合体させて大きく見せようというのは、西欧の詐術ではないでしょうか。西欧人の底知れぬ自我主義の強さを感じます。それは唯一神の信仰からくる世界制覇の思想。わたしは、人類文明の大転回が必要と考えています。
     
     
    • Taechang Kim
      その問題はすでに
      他の処で時間を掛けてじっくり議論したことです。また最近日本人の世界的なイスラム-中東研究分野の板垣雄三先生(93歳: 本東大教授)
      が東西二分法的な観点と立場を痛烈に批判して三分法的世界文明論とそのなかでの日本文明論の位置付けと
      役割を論じていますし、韓国の方でも何人かの比較文明論者たちが活発な議論を
      続けています。しかし現在
      わたくし自身はこの悪化し続く日韓-韓日関係の抜本的
      改善のための思想-哲学的
      土台構築の方がより緊急課題だと思っているのです。タケセンの仰ることは、また
      別のところでキチンとやってます。心配無用。しかし
      今まで日韓関係に集中した
      哲学対話を我々がやっているくらい誠実に根気よく継続しているのは日本は勿論、韓国でもその他どこでもやってません。すぐ直接関係の無い処に拡散して問題を直視しようとしないのです。
       
       
      • そうですか。そういう議論は全然聞こえてこないので、学者はみんな馬鹿なのかと思っていました(笑笑・失礼)。
        わたしは、Kimさんの美学考察も、東西二分法でしたので、書き込んだのでした。
        それからさらに【重大な問題】は、その一つ前のわたしのコメント=
        プラトニズムという言い方でギリシャ思想をまとめて、キリスト教との違いをぼやかす西欧人の思想についての批判は、学者でやっている人はいるのでしょうか?
        プラトン前中期のソクラテスによるイデア(典型・理念)という思想と、アリストテレス思想(「目的因」による自然の統一と言うお話)とは断絶していることを明晰に認識しているか否か。学者はみなアリストテレスから始めるようですが、それは西欧のキリスト教思想の影響下にあるものであることを知ってのことか。
        ギリシャ哲学と、西欧哲学(キリスト教を背後にもつ、無神論というのもキリスト教へのアンチで出てくるので、一神教思想の枠内)との根本的な違いを明晰化した本があれば、ぜひご紹介ください。
        わたしの師の竹内芳郎も言っていませんでしたので。

        字数オーバーになるので次に続きます。
         
                      •  
      • ので、次に続きます。
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