思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

N響の色気のなさには、生気を奪われるー 日本の音楽の悪しき象徴。「外ではなく内から」 回心を!

2014-12-08 | 学芸

毎度毎度のことなので、書くのも気が引けるのですが、
NHK交響楽団の演奏会は、ほんとうにつまらない。内から湧き上がるものがない。ちゃんと演奏しています、という形だけの音楽で、聞き続けるのが苦痛になる。
色気、艶なし、教養としてのクラシック。
こういうエロースのない音楽を聞いていると、生気が奪われてしまう。
これでは、丸暗記を強要されパターン知を仕込まれる日本の学校教育と同じで、人間は内的(=精神的)には死んでしまう~~~~~~。...
助けて!と叫びたい。

どうして芸術まで官僚主義的なの? これは、わが日本人の生き方=思想(価値観の束)なので、なにごとも固くこわばるのでしょう。変えたいですよね。
内的に、内側から、内発的に、です。外なる価値が先、既存の枠組みが優先、「形式主義・儀式主義、権威主義」は、人間性の魅力・豊かさを元から絶ってしまいます。
生きるよろこびとは、集団人や組織人ではなく、「私」であることからしか生まれません。《内的に》ーこれは原理です。

わが日本人の回心を!!


武田

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わたしの部屋から。古代ギリシャ史・村川堅固、堅太郎の本たちー「旧村川別荘」を背景に。

2014-12-06 | 学芸

ちょっと面白い写真ではないでしょうか。

わたしの部屋から、故 村川堅固、堅太郎の書物を並べて、旧村川別荘をバックに撮ったもの。
村川さんは、親子で高名な古代ギリシャ史を中心とした世界史の研究者(東大教授)でした。
わたしの家の向かいが旧村川別荘ですので、バックが決まります!

 

追記  以下は、12月24日に補足訂正して出した文章です。

村川堅固堅太郎

 

 ギリシア史を中心とした西洋古代史の日本のパイオニアである村川堅固は、白樺派の柳宗悦(むねよし)・兼子(かねこ)と同じく、嘉納治五郎 かのうじごろう(哲学・倫理学、教育者でいくつもの学校の校長、講道館の創設者、柳宗悦の叔父)に惹かれて我孫子の手賀沼湖畔に別荘を構えました。我孫子に集結した白樺派と時代も同じです。

  息子の堅太郎も、父と同じ道を歩み(堅固は堅太郎に中国史をすすめたようですが、地中海世界に憧れた堅太郎は、アテナイの研究を中心に西洋古代史を探求)、日本を代表する世界的な学者となりました。

  キリスト教誕生以前のアテナイの民主政とギリシア文化に倣った初期ローマは、キリスト教化された後の世界とは大きく異なります。村川堅固は、実証主義の学者でしたので文芸と思想の「白樺運動」には関わりませんでしたが、白樺派の面々も古代ギリシアへの共感をもっていましたので、そこに共通する世界を感じます。村川邸には、白樺派の同伴者バーナード・リーチがデザインし、佐藤鷹蔵(我孫子に住む「宮大工」でしたが、元号を使わず「西暦」で通した)が造った椅子があり、今も邸内に展示されています。

  また、堅固は、1920年代(大正末~昭和初期)に計画された政府=農林省の手賀沼干拓計画に反対して、師の嘉納治五郎や杉村楚人冠すぎむらそじんかん(国際的ジャーナリスト・朝日新聞論説委員・堺利彦の「平民新聞」を支持し執筆)らと「手賀沼保勝会」を立ち上げて干拓を阻止しましたが、これは当時としては画期的な市民運動であり、アテナイの直接民主政の研究者にふさわしい行動でした。

 堅太郎は、父を受け、世界的な古代史家(ペリクレスによるアテナイの民主政を核とする古代ギリシア史家)となりましたが、その思いは、以下の「アテナイ人の国制」(岩波文庫・1980年初版)のまえがきに明瞭でしょう。

  「・・・・・・・・・・・・・・・・
 一口に国家といっても、日本の小さな県くらいの広がりきりなかった古代アテナイと一億を超す人口を擁する巨大な官僚王国の現代の我が国とではその隔絶はあまりにも大きいように見える。
 しかし市民参加による民主主義、情報の公開、市民による行政の監視、地方への分権等々を主張する声が高まっている今日、直接民主政の典型ともいうべき古代アテナイ人の国制を顧みることも無意味ではあるまい。
 その成立の史実、また機構、運営の枝葉末節については専門家の間に未だ定説のない場合が少なくない。読者はよろしくそれらの些事にこだわることなく、今日的な問題意識に立って本文を味読していただきたい。
 そこに展開するアテナイ人の発想、試行錯誤の数々は二千年を超す歳月のひらきや社会体制のちがいにも拘わらず、今日の我々にも示唆するところが少なくないであろう。」

 1980年1月     村川堅太郎

 (注)この岩波文庫は、発見されたアリストテレスの論考を堅太郎が翻訳したもので、学術書です。文庫版としたのは、アテナイの民主政がもつ現代性を鑑みてのこと。

 

  また、堅太郎は、教え子の長谷川博隆・高橋秀との共著「ギリシア・ローマの盛衰」(講談社学術文庫1993年刊・元は「古典古代の市民たち」文芸春秋刊)の冒頭で、次のように述べています。

 「18世紀の末に古典的な市民革命といわれるフランス大革命がおこった。フランス市民たちにはその間を通してローマ共和政期の古代市民社会へのあこがれの風潮が流れている。・・・・
  近代の市民社会の誕生の時代に、人々が二千年の昔にさかのぼって、いまひとつの市民の社会をかえりみ、ときには理想化してそれに心酔したのは不思議ではない。そこには世界史の異例ともいうべきはっきりと個性的な市民の社会があった。ローマにさきだつギリシアのポリスの社会と共和制期のローマ社会とは、その間の大きな差異にもかかわらず、古典古代の都市国家の社会としての共通性をもち、われわれはそこの市民に、古典古代の市民たちとよびうる共通の人間類型をみることができる。
 ・・・・・・・・
ギリシアの市民たちのあいだに生まれた文化はローマの帝国の各地に普及し、ヨーロッパ文明のひとつの源流となったが・・・・・それが古典古代末期ともなれば、それはもはや市民ではなく臣民の世界であり、古代市民の考え方とはまさに対立するキリスト教が、苦難の道をへてついに最後の勝利を獲得する。それはまた帝国が衰退の道をたどった時代でもあった。」

  堅太郎は、このように、近代民主政をはじめに生み出したキリスト教の清教徒思想に基づく革命(その理論をつくったジョン・ロック)とは異なる古典古代の直接民主政に着目していたのでした。

 これは現代の課題に応える実に優れた見方と言える、とわたしは思います。


武田康弘

 

   堅固、堅太郎の書(一部)と 紅葉が綺麗な旧村川別荘(我孫子市&市民が管理)と手賀沼。
     後ろの大型本は、堅太郎編集の「ギリシャの神殿」(講談社刊)

 

なお、旧村川邸の写真は、FBの『白樺教育館』のページにあります。クリックしてください。
母屋と朝鮮風の新館と全景。
使用カメラは、ソニーRX-1R(ゾナー35mmF2)   ソニーα99(プラナー50mmF1.4)

 

 武田康弘

 

 
 
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吉田まどかさん来訪、「白樺文学館」「白樺教育館」 柳兼子、清瀬保二、松橋桂子。 武田康弘

2014-12-03 | 学芸

 

      『白樺文学館』で柳兼子愛用のピアノ(日本民藝館より寄贈)を弾く吉田まどかさん     撮影・武田康弘

 
 ☆ 以下は、facebookの記事です。11月23日より12月3日までを編集して載せます。

   今日(11月23日)は、facebookでお友達になったピアニストの吉田まどかさんが来訪。
 話が盛り上がり、書ききれない!(笑)。

   まず、『白樺文学館』にご案内して、柳兼子さんのピアノを弾いてもらいました。わたしひとりのために(別室で我孫子市のスタッフも聴いていて、「いや~、癒されました」と)。落ち着いた深みのある演奏で、さすがです。

 『白樺教育館』では、兼子さんが最後に到達した清瀬保二作品のピアノと室内楽のCD(生誕100周年記念の非売品)をお聞かせしたところ、「素晴らしい!」と感動。
 よ~~し、土着的・健康的にして洗練の極みでもある孤高の作曲家=清瀬保二のルネッサンスを!と意気上がりました。清瀬作品の楽譜(お弟子の松橋桂子さんから頂いたもの)をお貸ししました。さて、いかなる展開になるか!

 拙宅では、兼子さんの「永遠のアルト」三枚組の中から、清瀬さんの「いつとなく」(伴奏ピアノは清瀬本人)と、ビゼーのカルメンよりをお聞かせしました。わたしの組んだオーディオでの再現に感激してもらい、わたしも感激(笑)
 兼子さんの歌唱がなぜこれほどまでに人を引き込むのか、と話しつつ、再会をお約束して別れました。

 いま、頂いたCD、まどかさんと白上冴さん(ヴァイオリン)の二重奏、ヘンデルからはじまりマスネまでを聞きながら書いています。落ち着きのある豊かな演奏で、とても気持ちがよい。

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※吉田まどかさんの略歴ーCDの解説書より一部を抜粋

   桐朋学園高校・大学、在学中にドイツ国立デトモルト音楽アカデミーに留学、ドイツ国家演奏家試験で最優秀を取得し卒業、各地で演奏活動。アメリカインディアナ州立大学音楽部に留学。ソリスト、伴奏者として各地で演奏。バーンスタイン率いる祝祭オーケストラと共に、
ヨーロッパツアーに参加。現在、クリーブランド管弦楽団のヴァイオリニスト・白上 冴さんとも組む。  

 

以下は、吉田まどかさんが書かれたfacebookより。

吉田 まどか

11月28日 12:25·

 私が白樺文学館、白樺教育館に導かれたそもそもの始まりは母方の祖父が民蓺かぶれで濱田庄司さんの焼き損ないを家で日常に使っていた事(ちゃんとできた物は売ってしまったらしい)から駒場東大の日本民芸館に2年前に行ったとき、柳宗悦の奥さんが柳兼子というアルト歌手で 戦争中軍国主義政府に反対して軍歌を歌う事を拒否した事、宗悦と共に朝鮮独立運動に積極的に参加し資金集めの為にコンサートをし、民芸の掲げる民知の精神を音楽で貫いた女性だった事を知り、大変興味を持った事。

 それから2年経ってFBのお陰で白樺文学館元館長さんで白樺教育観館ソクラテス教室で白樺のスピリットを受け継いで教育に当たっておられる武田康弘さんとお友達になり、先週末、年に二回演奏に伺わせてい頂いている亀有の教会に行ったついでに足を延ばした。ところが、足を延ばしたぐらいの時間では到底カバーできない巨大な知識と知的欲求探究エネルギーに満ち溢れるの武田さんと武田さんの生徒さん達と白樺の地の魅力に引き止められながら、翌日娘の学校面接も在った為泣く泣く切り上げて帰宅しました。日本のルネッサンスってあったんだ~!!という気持ちで未だ頭の中を整理中ですが(笑)
  又 伺いたい~!皆さんも行きましょう!


 

楷書の絶唱  柳兼子伝 松橋桂子著 水曜社 ISBN4-888065-013-7 C0070

この書は、渋谷監督、佐藤隆氏制作によるドキュメンタリー”兼子” <iframe width="420" height="315" src="//www.youtube-nocookie.com/embed/bfbbpbkJs_I?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen>では全く解らない細部の部分まで兼子の一生が記されている。
 ”兼子”の中での録音では聞こえて来なかった深い生の声が白樺館の武田康弘さん宅の真空管アンプ(オーディオ装置)では掘り出されて立体的に再現されたように、
本気で彼女の人間像を知りたい方には必読書!!

 
 写真・吉田まどか

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武田 康弘  2014年11月29日
松橋桂子さんにまどかさんのことをお話ししました。お会いしますとのことですので、ぜひ、連絡してみてくさい。話は通してありますので、大丈夫です。

(この前後にたくさんのメールのやりとりがありましたが、それは割愛。)

吉田 まどか 2014年12月3日 

今、松橋先生とお話しいたしましたよ!!とても80歳とは思えない若々しい清涼感にあふれたお声で確信に満ちた!それで何とも全く威張っておられない。電話越しから素敵な方だと感じました。清瀬作品のCD到着いたしまして岩崎洸さんの所にまず持って行きますね。それからどうなるか展開が楽しみです。クリーブランド管弦楽団の白上さんにも清瀬作品の事を話しました、年末2週間ぐらい帰国されるそうですので紹介します。

 

こわいくらいの進展で、嬉しい限り!!  武田康弘

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集団的自衛権ダメよダメだめ 元自衛官防空ミサイル部隊の泥さん、安倍首相に宣戦布告本!

2014-12-02 | 書評

元自衛官・防空ミサイル部隊所属の泥憲和(どろのりかず・本名)さんは、7月に、安倍首相のウソを暴く「集団的自衛権」批判の演説をしましたが(これが生まれてはじめて人前で話した経験とのこと!ビックリです)、

その演説文をシェアしたわたしのこのblogには、facebookよりの「いいね!」が150000(15万)件付くという恐ろしい!?事態となりました。まだまだ増加中!

その、今年の流行語大賞に「集団的自衛権」を選ばせた最大の功労者であろう泥憲和さんの本が出ました!!『安倍首相から日本を取り戻せ』(かもがわ出版刊)

自衛隊での実体験に基づく明快な論理、仏教や哲学にも豊かな素養を持ち、かつ大地に足がついた論説には、学者も政治家も官僚も評論家もかないません。この書を読んでまだ安倍首相とその政権を支持する人がいるとは考えらぬほど。

わが日本人は、選挙の前にこの本を読まなければ、と思います。後悔先に立たず、です。


武田康弘

泥さんの邪鬼退治

 

 

 

 

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従軍慰安婦は、ひどい人権問題。泥憲和さんの明快な論文の英訳完成!三枝恭子さん訳。楽しい来訪。

2014-12-01 | 学芸

昨日、このblogでお友達になったアメリカコロラド州在住の三枝恭子さんが来訪され、実に楽しい7時間を過ごしました。

わたしの呼びかけに応えて、泥憲和さんの従軍慰安婦問題の論文を英訳してくれたのです。

ただし、話題は、音楽や文化、言語論(三枝さんは、定年までコロラドの大学で教鞭、専攻は言語学)、フィロソフィ(恋知)の話になり、どんどん広がりとってもオモシロイ~~~

三枝さんも音楽が大好きで、わたしの素晴らしい!(笑・ホントウ)オーディオでいろいろなジャンルのものをお聞かせしました。日本発の普遍的=世界的音楽の代表である清瀬保二(武満徹のただ一人の先生でもある)のレクイエム(1963年作曲・オーケストラ・独唱・合唱による反戦のためのレクイエム『無名戦士』・演奏時間30分)歌・CDは市販されていない)には、深く深く感動され、これは、毎年、8月の敗戦記念日には日本中で演奏されるべき!!と意気投合しました。

また、先週来訪されたピアニストの吉田まどかさんがこの一週間で、清瀬保二さんと柳兼子さんのことをあちこちで(桐朋音大関係者、岩崎兄妹さんなど)伝えて広げてくれていますが、まどかさんのこと、と1週間でのやりとりは膨大!ですので、後でまとめてご紹介します。

え~~と、そんなこんなの話を清瀬さんのお弟子の松橋桂子さん(80歳)に昨夜遅くにお電話したら、大感激されました。


本題に戻ります。英訳は、古林治さんが、近々に「白樺教育館ホームページ」にアップしますので、ぜひ、ご活用を。日本の良心を世界に!!



武田康弘



写真は三枝恭子さん。 拙宅でと、 拙宅向いの高名な古代ギリシャ史家・村川堅固・堅太郎の旧別荘(我孫子市&市民による管理)でと、 白樺教育館で、

  

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