★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

No Country for Old Men

2013-06-11 22:01:56 | 文学


この映画、「あらゆる」死者に対する追悼にみえたね…。生の世界は滅茶苦茶にできていて孤独だが、死ねば親しい死者に会えるのだ、と。この映画は基本的に西部劇だと思うけれども、差別と砂漠の中で哲学が育つような、西部劇にはそんな認識の地点が用意されていたのかもしれない。そこまで行かずに、差別に対する恐怖でジャンルが消滅してしまったのかもしれないが…。