わたくしは、三角関係のもつれとか、中高生が色恋で身を滅ぼしたりするお話が大好物なのである。古いところでは「彼氏彼女の
ウラ事情」とか好きだったが、もう少し、美男美女のカップルが地獄の果てまで落ちた方が良かった。「君に
お届け」は、どうやら昔のゼミ生がこのマンガを好きだったので、第一巻だけ読んだが、女の子の眼が不自然な大きさなのが気になり、それ以降は読んでない――というわけで、映画だけは観てきた。のだが、マンガより映画の方が、主人公のカップルが美男美女だったところに、また花火の場面で告白とか、とりあえずまずは花火師の方にお膳立て料をはらっとけよ、といいたくなるよくある結末だったので、腹が立ってしまったが、多部未華子さまは相変わらず女神様だったのでよかった。たぶんこの映画を観た人は同意してくれると思うが、男女の恋愛話というより、これは友情の話なのである。多部様と色男(←誰だっけ?)の仲はどうなっても知ったことではないが、彼らの友人関係は彼らが生きてゆくためには必要不可欠になりそうで、わたくしもその帰趨を心配し不覚にもほろりときたのは事実である。そもそも、この物語に描かれてあるような――容貌が貞子に似ていると言って女の子をからかっている連中が多くいるような
頭並びに性根が悪すぎる高校で孤立したら大変なことになりそうであり、実際は恋愛どころではなく誰も彼もが自分の仲間を確保するのに必死になるであろうことは現実問題としてあるのである。
この蒙昧な雰囲気は過去に経験したので私はわかる。……というわけで、私が監督なら、担任の
三島由紀夫先生とサワヤカ美男が多部未華子様を取り合うという設定にし、結局二人が義侠心に目覚めて友人0の某文学青年に彼女を譲るという結末にするね……。さすれば、女の子が本当に必要なのは、そこらにいるサワヤカ
チャラ男ではなく、文学青年だということがはっきりするのである。
そのためには、舞台をエリート校に移し……。