★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

空にある星を一つ欲しいと思ひませんか? 思はない? そんなら、君と話をしない。

2014-06-26 23:29:40 | 文学


わたくしは思春期の気の迷いで音楽やら文学に耽溺してしまったため、いまのような体たらくに陥ったのだが、小学校五年生ごろの清い心のままでいたならば、天文学者か気象学者になっていたであろう。成績の上では数学とか理科の方が国語なんぞよりよほどよかったのであるから、世の中分からないものである。世の中から思春期を殲滅したならば、とてもよい感じになるであろう。というわけで、いまも時々『天文ガイド』などみながら茫然としていることがある。そういえば、『天文と気象』はまだ売ってないのかと探してみたが、廃刊してた。今日も、「潮騒」とか「三国志」など、愚にもつかぬ人間界のゴタゴタについて語ったので、家に帰って岩波ジュニア新書の『天文学入門』をめくって楽しんだ。わし星雲というのは、エルンストの絵の100倍美しい。……やっぱり私は天文学より星の写真がすきだったようだ。